秋田県で「石臼コーヒーミル」が作られた話

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こんなニュースを耳にしました。

若干、情報が周回遅れになっているような気もしますが、そこはまあ……。

石臼のコーヒーミル、受け皿は秋田杉 南秋の2社が商品化(秋田魁新報社)

引用します。

 秋田県八郎潟町の斉藤石材店(斉藤壽幸社長)と五城目町の佐藤木材容器(佐藤友亮代表)が、湖東3町商工会(本所五城目町)の経営支援をきっかけに、男鹿石と秋田杉を使ったひき臼のコーヒーミルを商品化した。両社の強みを生かしたこだわりの一品で、シニア層やカフェ経営者への売り込みを目指している。

ミルは、直径16センチの石臼と同30センチの秋田杉の受け皿のセットからなる。重さは約6キロ。臼の溝の切り方を調整してコーヒー豆のひき具合を変える仕組みで、完全受注生産となっている。価格は6万円(税抜き)。

(公式サイトより引用)

これがその石臼コーヒーミルです。

石臼部分が「斎藤石材店」さんで、取っ手や下の木皿の部分が「佐藤木材容器」さんの手になるもののようです。

内部構造(公式サイトより引用)

これが内部構造です。しっかりとしたつくりの石臼になっていますね。

このミルの何がいいのか?

おしゃれですよね!

なんというか、ゆっくりと石臼でコーヒー豆を挽く、贅沢な時間が楽しめそうです!

なんというか……風情があって、いいですよね。

――という感性の部分はおいといて……。

コーヒーをいれる道具としてみたとき、この石臼コーヒーミルが優れているところが一つあります。

えー、以前コーヒーミルの話をしたとき、コーヒーミルの方式には三種類ある、という説明をしました。

コーン式とカット式と臼式ですね。

石臼コーヒーミル、というぐらいなんだから、このミルは臼式に分類されます。見た目からして石臼ですからね、当たり前ですよね。

それで、臼式の欠点は「コーヒー粉の粒度がそろいやすいが、磨り潰す際に発生する熱でコーヒーがダメージを受けやすい」というものでした。

今回のこの「石臼コーヒーミル」

大きくて重い石臼は、豆を挽く際の安定度に寄与するだけでなく、たっぷりある熱容量で、摩擦熱を石臼が全部引き受けてくれるので、豆が受ける熱によるダメージを最小限にすることができます。

とはいえ、いいことばかりではない

……ときくと、いいことづくめのようにもみえます。

見えますが、上記の記事であっさり流されている部分が、最大の欠点が隠れています。

改めて引用します。

重さは約6キロ。(中略)価格は6万円(税抜き)。

まず、重さが6キロあります。

6キロです。

6キロという数字だけ見ると、ピンとこないと思いますので、他のコーヒーミルと比較してみましょう。

公式サイトより引用

電動ミルの名機、迷ったらコレこと、カリタのナイスカットミルです。

このナイスカットミル、重量は2.3kgです。つまり、この石臼コーヒーミルは、ナイスカットミル3台分の重さがあるということです。

公式サイトより引用

手動ミルの最高峰と名高いコマンダンテコーヒーミルです。

コマンダンテコーヒーミルの重量はおよそ630gです。

石臼コーヒーミルは、コマンダンテ10台分の重さになります。

とにかく「重い!」「デカい!」に尽きます。

6㎏となると、置き場所の耐荷重も考えないといけませんし、ナイスカットミルすら置き場所に悩むような人がいることを考えると、これを置くこと自体が結構大変そうです。

家庭用にはいささか以上にしんどい代物と言えます。じゃあ、業務用としてはどうだというと、客から注文が入るたびに、ハンドルを回して豆を挽くのはまぁしんどいです。(しかも、重さ6kgの石臼)

帯に短し襷に長し、という表現すらちょっと当てはまらないレベルで、難しい代物であるのは明白です。

相当なもの好きじゃないとちょっと……という感じですね。

そして、その「相当なもの好きじゃないと」度を高めているのが、お値段です。

これ、税抜きで6万円します。

さっき上で書いた、手動ミルの最高峰(性能面において)であるコマンダンテコーヒーミル。

これ、お値段3万円です。

3万円ぐらいなら、「最高の性能があるならまぁ……」と自分を納得させられます(まぁ、僕は、ですけど笑)。

6万円となると、このコマンダンテ2台分のお値段となるわけです。

性能の高さに定評がある、世界最高峰とも称されるミルの2倍の値段で、性能未知数のミルを買うか?と言われると、いくらなんでも、と思います。

6キロの大きな石臼を配置できる広さの家に住んでいて、かつ、6万円をぽん、と支払えるもの好きにしかおすすめできない、というのが実際のところです。

や、面白いとは思いますし、欲しいかと言われたら、欲しいんですけどね。

誰か、実際に購入してみて、実用性とか、コーヒーミルとしての性能とか、レビューしてほしいとは思います。

それか、せめて、公式で、どれくらいの量を一度に挽けるのかぐらいは情報を公開してほしいと思います。

あとYoutubeにこれで豆を挽いているところの動画アップロードして(笑)

公式サイト

ブランド『幸雲』石臼コーヒーミル(斎藤石材店)