一杯のコーヒーができるまで

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こうして毎日おいしく飲んでいるコーヒー。

このコーヒーはどこからどういう風に来ているのでしょうか?

この一杯のコーヒーができあがるまでの流れをざっと追いかけていきたいと思います。

コーヒーの産地

コーヒーベルトと呼ばれる地域があります。

具体的には、北回帰線と南回帰線の間――北緯25度線と南緯25度線の間、この地域のことを指します。

コーヒーの主要な産地はこの範囲に収まります。というのも、コーヒーノキは基本的に気温が0度を下回ると死ぬ、寒さに弱い植物です。

そのため、温暖な熱帯地域で育てる必要があります。

  • コーヒーは寒さに弱い!
  • コーヒーが育つまで数年が必要なので、常に暖かい場所でないと冬を越せてない
  • ある程度の雨量も必要

という条件を満たすのはおおよそ赤道付近になるので、このようなカタチに産地が分布することになります。

ただし、コーヒーベルトの外でもコーヒーの栽培が行われています。たとえば、オーストラリアや中国雲南地方、日本の沖縄などです。日本の本州でもビニールハウスを使ってコーヒーノキを育てている人がいます。

追加の基本的な要件として、寒暖差が激しいとおいしいコーヒーが出来やすいです。寒すぎない程度に標高が高い場所で育てられたコーヒー豆は高品質になりやすいです。

そのため、ブルーマウンテンはジャマイカ産コーヒー豆のなかでも一定以上の標高のブルーマウンテン地区のみがその名前を名乗ることができ、その他の国でも標高別にコーヒー豆のグレードが定められている国があります。

そもそもコーヒーとは何なのか

コーヒーの品種

コーヒー豆がとれる植物はコーヒーノキという植物です。

アカネ科コーヒーノキ属に属する植物で、おおまかに品種は3つに別れます。アラビカ種とロブスタ種リベリカ種の3つです。

コーヒーとして一般に飲まれているのは、アラビカ種とロブスタ種です。

コーヒーノキの特徴

  • アカネ科コーヒーノキ属
  • 常緑で葉の色が変わったり落葉したりはしない
  • 育つと樹高は9~12メートルほどにもなるが、農園では収穫しやすくするために5メートルぐらいに保っている
  • 3~5年で白い花を咲かせる。その後何十年にもわたってコーヒーチェリーという実をつける。
  • コーヒーチェリーは赤もしくは黄色で、熟するのに9ヶ月かかる。甘くておいしい(らしい)
  • コーヒーチェリーの種を精製して焙煎したものがコーヒー豆として飲用に用いられる
  • 高温多湿で多雨が好き。寒さには弱いけど寒暖差を好む。

アラビカ種の特徴

  • アラビカの名前は最初に広まった場所であるイエメンに由来するが、原産はエチオピア
  • アラビカ種のなかでもたくさんの品種がある。
  • 品質が高い(=おいしい)しかも、たくさん取れる
  • コーヒーの生産量の7割以上を占める
  • ただし、病虫害には弱い
  • 主にレギュラーコーヒー用(=一般的に飲まれてるコーヒーはこっち)

ロブスタ種の特徴

  • ロブスタの名前は強靱を意味するロバストから来ている
  • 名前の通り、頑強で病虫害に大変強くしかも成長が早くてたくさんとれる。
  • ただし、アラビカ種に比べると低品質(=まずい)
  • 主にインスタントコーヒーや缶コーヒーに使われているほか、安いレギュラーコーヒーの嵩をますために混ぜられることも。

リベリカ種の特徴

  • リベリカの名前は、リベリアから来ている。
  • 品質が高くなく(アラビカ種とロブスタ種の中間くらい)、しかも病虫害に弱く、木が大きくなって収穫が難しい
  • 農作物としては優れない性質を持つので生産量は、コーヒーの1%未満に

コーヒーの品種は非常にたくさんあります。

コーヒー豆の構造

コーヒー豆は、コーヒーノキがつけた実――コーヒーチェリーの種子を精製したものです。

コーヒーチェリーの構造図です。

コーヒーチェリーの構造図(出典:田口護の珈琲大全)

この真ん中の隣り合わせになったものがコーヒー豆です。これを取り出すために行う作業が精製です。

この隣り合ったカタチの他に、単独で存在するコーヒー豆もあって、それらは丸豆(ピーベリー)と呼ばれています。普通のコーヒー豆に比べるとまろやかな味わいです。

コーヒーを植えてから豆になるまで

まずコーヒーを植えて、育てます。コーヒーを植える際には、太陽光を遮るための木、シェードツリーを一緒に植えます。ちなみに、大体バナナらしいです。

その後ゆっくりと木を育てていきます。

ケニアのコーヒー農園(出典:田口護の珈琲大全)

そうすると、このようにコーヒーノキが連なった農園になります。

しばらくすると、コーヒーノキは花を咲かせます。植えてから2~3年ほどかかります。

コーヒーの花(出典:田口護の珈琲大全)

花のあと、実がなります。コーヒーチェリーです。コーヒーチェリーは9ヶ月ほど経って熟します。

熟したあと10日ほどの間で収穫されます。収穫は手摘みと自然に落果するのを待つのと二種類あり、手摘みが主流ですが、ブラジルやエチオピアでは落果によって収穫しています。

コーヒーチェリーの構造図(出典:田口護の珈琲大全)

上にも出しました、コーヒーチェリーの構造図です。真ん中の隣り合わせになっているものがコーヒーチェリーの種子、つまりコーヒー豆です。

これを精製という作業でコーヒー生豆にしていきます。

コーヒーの精製方法には3種類あり、水洗式と乾燥式、半乾燥式です。

乾燥式精製の特徴

  • 昔ながらの方法で、水が不自由でもできる
  • 独特の香りがあるが、品質のバラツキ大きい
  • エチオピアなどで主に行われている

水洗式精製の特徴

  • 大量の水が必要
  • コーヒーの品質のバラツキが少なく、豆が綺麗に仕上がる
  • そのため商品価値が高いので、様々な産地で取り入れられている

半乾燥式精製の特徴

  • 水洗式と乾燥式のいいとこどり……?
  • 最近ではハニープロセスという名前で、あちこちの産地が取り入れている
  • 主な産地はブラジル

精製が終わるとコーヒー豆になります。

そしてコーヒー豆は日本へ届く

現地で選別が行われ、輸出規格(グレード)ごとに振り分けられ、輸出されます。

コーヒーの輸送は基本的には船ですが、一部のスペシャルティコーヒーなどで航空機での輸送が行われる場合があります。

精製し終わったコーヒー生豆は、60kgなどの量に分けて麻袋に詰められます。

その麻袋が一杯のったパレットをコンテナに積載して船便で運ぶわけです。

一部のスペシャルティコーヒーなどでは、品質を保つために麻袋の中に特殊なビニールでできた品質を保つための包装がされる場合があります。

コンテナには二種類あり、ドライコンテナとリーファコンテナがあります。

ドライコンテナは一般的にコンテナと聞いて想像される普通の金属の箱で、空調も何もついてなくて、生豆の保存にあまりいい環境ではありません。

リーファコンテナは対照的に空調完備で常にコーヒー生豆にとって最適な環境が保たれています。ただし、当然ドライコンテナに比べるとコストがかかります。

要するに、安い豆は適当に麻袋に詰められて、適当にコンテナに詰められて運ばれるということですね。一方、スペシャルティコーヒーなどの高級品は、麻袋の内側に品質を保つための包装がされ、空調完備のコンテナで快適な旅をして、日本にやってきます。

日本にやってきたら、税関検査を受けて、オッケーが出れば倉庫に納入されます。

倉庫から焙煎所へ

注文があれば、焙煎所(自家焙煎店だったり、地元のロースターだったり、UCCやサントリーなどの大手メーカーだったり)にコーヒー豆が運ばれます。

焙煎から抽出へ

ここからは僕らにとってもなじみ深いプロセスになります。

コーヒーの生豆は、生産地でも欠点豆(腐っていたり虫が食っていたりする豆)を取り除いていますが、焙煎する前にもチェックします。これをハンドピックといいます。

ハンドピックしたコーヒー豆は、焙煎機の容量ごとに分けられて、焙煎されます。

そして、あなた(=コーヒーを飲む人)が自家焙煎店だったりコーヒー豆店などでコーヒー豆を購入します。

これを、ミルで挽いて、ドリップして、できあがりです!