今回は、Denonのドルビーアトモス対応AVアンプの最新機種 AVR-X1700Hについて書いていこうと思います。
これを購入したのは、去年(2021年)の年末ごろ。
半年ぐらい使用してのレビューになります。
ちなみに購入に至って理由は、YouTubeに上がっていたAVアンプの音質比較動画で、Denon Marantz YAMAHAと並んでいた中で一番好きな音質がDenonのやつだったからです
ちなみに気に入った順としてはDenon≧Marantz>YAMAHAの順です。
実際に使ってみてのレビュー
そんなわけで早速、実際に使ってみてのレビューに入っていこうと思います。
テレビ経由でのAmazonプライムビデオの動作が変になる
いきなりこんな大きなマイナスポイントを書いてしまっていいのか困惑しますが、LGテレビのAmazonプライムビデオアプリの再生音がおかしいです。
厳密にいうとプライムビデオだけではなく、一部のYouTube動画(現状Live動画でしか確認はできてないです)、Apple Musicなどもおかしいです。
というか、WebOSアプリの再生音が全体的におかしいです。
すごい聞くに堪えないノイズがずーっと流れっぱなしになります。
よーく耳を澄ますと、元のコンテンツの音もほんのりと流れているのが確認はできます。
一応検索して調べたところ、なんかプライムビデオの設定側の問題で解決できる……らしいです。らしいですが、テレビのプライムビデオアプリにはそれらしき設定がなく、どうしようもないです。
ただ、それで解決できたとして、YouTube動画の方はどうしようもなくお手上げ状態です。
プライムビデオのノイズに関しては、Windowsアプリ上では再現しません。これはWindowsアプリは強制的に2chステレオになることが理由だと思います。
Macアプリ上では再現します。
PS4アプリ上では再現しません。
どういう状況でノイズが発生するのかがイマイチわからないです。
YouTube動画でのノイズに関しては、Windowsアプリ、LGTVアプリ、MacのSafari/Chrome、Windows Chrome、すべて再現しました。
検索してもそれらしき情報はなく、現状解決の手立てがないです。
ないですが、LGのテレビ経由での再生音がおかしい問題は解決の糸口が見えました。テレビのサウンド設定でHDMI ARCのパススルー設定を自動やパススルーからPCMに切り替えます。
すると、ステレオになってしまいますがアマゾンプライムビデオやYoutube、AppleMusicなどを問題なく再生が可能になります。
Apple TVはパススルーでドルビーアトモスが再生できるんですけどね……オーディオのデコード周りでコケてるのかな……?
別の記事にも書いたけど……動作の安定性(動いたり動かなかったり)が最大の難点!
それって致命的な欠点なのでは……?
特にWindowsやMacなどのPCと組み合わせると、不安定感が増します……
Dolby Atomosはやっぱりすごいイイ
しかし、やっぱりDolby Atomosはすごくイイです。
凄まじい臨場感です。
映画だけでなく、ゲーム、Apple Musicの空間オーディオに至るまで、まるで全方位を音に包まれたような(って包まれてるんですが)凄まじい立体感です。
個人的に気に入っているのは、サラウンドでPSVRなどのVRゲームをプレイすることです。
どうしても、VRのヘッドセットの音響というのは、そこまで立体感ないというか普通のスピーカーやイヤホンなので、どうしても限界があるのですが、これをスピーカーによるサラウンドに置き換えると、まるでVR空間に飛び込んだような音響効果を得ることができます。
……問題は、凄まじくめんどくさいことですね。
配線とか……ね(白目)
エースコンバットのVRのような座りながら行うVRならいいんですけど、VR空間の中で歩いたり振り向いたりするアプリだとサラウンドと向きがずれてきます。
なので、動き回るVRとは相性が悪いですね。
ゲーム+サラウンド=最高!
HDMIのセレクター機能はイマイチ
HDMI2.1対応のHDMIセレクターとしても使えるんですけど、これはちょっとイマイチかなーと思います。
切り替えにちょっと時間がかかるのもそうですが、AVアンプの電源OFF時と電源ON時で挙動が変わるのがちょっとうーん……って思うところですね。
何がどうイマイチなのか具体的に説明していきます。
例えば、前提条件としてTVにPCとPS4をAVアンプ経由で繋げているとします。
AVR-X1700Hは電源オフ時にもHDMIセレクターとして動作します。
TVの電源をオンにすると、AVアンプがオフ時に選択したHDMI機器(例えばPC)が選択されてTVの画面に映し出されるわけです。
問題は、電源オンにするとなぜか別のHDMI機器を選択することです。
AVアンプオフ時にPCを選択→PCを起動→TVをオンにする→HDMI CECの連動でAVアンプも起動する→HDMIの選択がPS4になってしまう
みたいなことが頻発して、地味にストレスです。
そして、切り替えにちょっとラグがあるのも問題です。
「使いたいのはPCなんだけどなー」ってHDMIをもう一回切り替えると少し切り替えで待たされて、ストレスが増します。
さっきから紹介されるデメリットが割と致命的なんだけど
サラウンドの迫力はすべてのデメリットを帳消しにするから……(震え声)
ステレオの音質、意外といける
AVアンプはステレオの音質が良くないみたいなことを言われますが、このAVR-X1700H、意外と——というか普通にステレオの音質もイケます。
もちろん、純粋なステレオ用のアンプと比べると、ステレオ用のアンプの方が上だと思います。
ただ、ですね。
機能性の高さ、そして何より値段とかを考えると、これで十分じゃね?
と思います。
実際にVena2が来るまでの間、LUMINA1を鳴らすためのアンプとして、AVR-X1700Hを使っていましたが、明らかに3500円の中華アンプよりは格上な感じがしました(主観的見解)
Vena2と比べると、明らかにVena2の上が1段階ぐらい格上な感じがしますが、価格差が3倍近くあることを考えると、そんだけしか差がないのかあ……とはなります。
一言で言うと、「上を知らなければ別にこれで十分満足できる音質」です。
スピーカー買う前はディスプレイ内蔵スピーカーで何も感じてなかったよね?
じゃあスピーカーもアンプもいらないんじゃないの?
ぐぬぬ……。
ディスプレイやテレビに内蔵のスピーカーと外付けのスピーカーには超えられない差があるから……(震え声)
自動音場補正機能、便利だけど……
AVR-X1700Hに限らず、現代のAVアンプには音場補正機能があります。
細かく設定をしなくても、最適な設定をしてくれるわけです。
そういう意味ではやっぱりAVアンプはいいなあと思います。
ただ、問題点というか、気になることがふたつあります。
- スピーカーを繋ぎかえるたびに補正しないといけない
- 画面が古臭い、90年代後半のPCみたい
スピーカーを繋ぎかえるたびに補正しないといけないっていうのは「当たり前だろ!」と言われると当たり前なんです。
なんですが、フロントLRの位置をちょっと変えたりしただけでも、全てのスピーカー分の補正をかけないといけないのがめんどくさいんですよね。
動かしたりスピーカーを変更したりしたのはフロントだけなんだから、フロントだけ測定し直せばいいやん!みたいなことを思ったりします。
そして、画面が異常に古臭いです。
昔のWindows XPとかのセットアップ画面みたいなのが、現代の4Kテレビに映し出されるのは、ちょっと「うーん」ってなります。
今、2022年だよ?
そりゃ、自動音場補正なんて何回も使う機能じゃないし、機能的には問題はないんですが……でも、気分の上がり具合は変わってきますよね。
話によるとYAMAHAの対抗機種RX-V4Aは比較的現代的な設定画面らしいです。
DenonのAVアンプもモダンなUIを是非お願いします!
アプリ周りの動作が怪しい
スマホから操作できるリモコンアプリがiOS / Android向けにリリースされています。
今回は僕の環境に依存する話になるのですが、このリモコンアプリがイマイチです。
というのも、アンプが認識されたりされなかったりするのです。
認識されるときは操作に支障はないのですが、何の脈絡もなく認識されなくなったりします。
そうなると、どうしてもリモコンに手が伸びますよね。リモコンなら確実ですから。
ネットワークプレーヤー機能のHEOSも問題ありです。
認識したりしなかったりするリモコンアプリと比べると、ちゃんとAVアンプ本体を認識する分は素晴らしいです(実に低いレベルでの賞賛)。
素晴らしいですが、操作にラグがあるというか、すんなり操作できず、ちょっと待たされるというか、モタモタしているところがあって、肌に合わないです。
まあそもそも、メインの音楽配信はApple Musicなので無用の長物なんですけどね!
この手のネットワークプレーヤーでApple Musicに対応しているものって見たことないです……(涙)
Apple側の問題なら、Appleが積極的にサードパーティの開発に協力して欲しいです!
メリットとデメリットまとめ
最後に、メリットとデメリットをまとめていきたいと思います。
メリット
まずはメリットから。
メリットは4つほどあると思います。
- Dolby Atomos(5.1.2ch)対応で必要にして十分な対応範囲
- ステレオ音質も良い
- ドルビーアトモス対応のAVアンプの中では比較的安い(6万円以下)
- 最新のHDMI2.1に対応(ALLM / VRR)しかも3ポート!
要するにコスパが高いというのが最大のメリットです!
デメリット
- アプリ周りの動作がひどい
- 時折動作がおかしい時がある
- HDMI2.1の帯域が制限されている
動作が不安定というのが最大のデメリット。
ただ、人によっては問題なく動いている、という人もいて、問題が出るか出ないかは環境次第って側面もあるような気がします……。
何の脈絡もなくHDMI2.1の帯域が制限とか出てきたんだけど?
実用上全然問題ないから書かなかったんだけど、HDMI2.1ポートが最大40Gbpsの速度に制限されてます。HDMI2.1の規格では48Gbpsなんですよね。メーカーの公式ではそんなに大きく書いてないです。仕様表のところに小さく書いてありますが……。
ただ、これがどう影響してくるのかはよくわかんないですし、対抗機種のYAMAHAのAVアンプだとそもそも不具合があるので……。
動くだけマシって酷すぎて草
こうしてみると、AVアンプってかなり人を選ぶね……
動作が不安定なのが致命傷。ステレオのプリメインアンプをPCに繋いで動いたり動かなかったりするみたいなことは普通起こらないからね。
ここまで読んでてまったく欲しくならないから凄い
一応おすすめしているはずなのに。
リアル5.1chやリアルアトモスはすごく魅力的で映画やゲームを大迫力にしてくれるけど、相応のデメリットもある。それを受け入れられるかどうかが問題ってことかな。
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