というわけで、前回予告した通り、岡田斗司夫著あなたを天才にするスマートノートのレビューを書いていこうと思います。
5行日記だっけ?
5行日記はごく一部というか、初歩の初歩でしかないよ!
ざっと内容を要約していく
まず基本的なこととして、ノート術というのは色々と目的があるわけです。
例えば、以前紹介した「自分を変えるノート術」だと一人合宿という行為で自分の考えていることをとにかく書いていくことで、「自分が何をしたいのか」ということをしっかりと考えて自分の人生を変えてく、ということが目的と言っていいのかな?と思います。
他にも、やるべきことだったり、考えていることをしっかりと整理することが目的のノート術だったり、スケジュール管理というか、考えたやるべきこと、ToDoをしっかりと毎日実行できるようにすることが目的のノート術、というのもあります。
その点からこの本のノート術の目的を書くと「天才になること」です。
天才になるためのノート術とは?というか天才って何?
天才ってそれはもう才能の話で、天才になるとか無理だろ!というツッコミがあるかと思います。
この本で、岡田斗司夫氏が説明する天才というのは以下の3つの能力を持っている人のことを言います。
- 発想力
- 表現力
- 論理力
この3つの能力を高度に持ち合わせて複合させた人間のことを天才、とこの本では定義しています。天才の例として、アップルのスティーブ・ジョブズ、北野武などを挙げています。
なぜ、この3つを同時に鍛えて、天才にならないといけないのか?その理由を岡田斗司夫氏はこう書いています。
3つの能力のうち1つだけを鍛えるのは、効率が悪いのです。
たとえどんなに1つの能力を高めていっても、かえって中心位置の『天才』からずれていくばかり。
その結果、総合的な評価が上がりません。
結局、最初からある枠組みの中で、誰かに能力を認めてもらい、雇ってもらうことしか道がなくなります。つまり「使用人としての価値」が上がるだけです。
あなたを天才にするスマートノート・電子版プラスより引用
昔のようにずーっと同じ職場で同じ仕事ができるのなら、それでもいいかもしれない。しかし、現代は先行き不透明でずっと同じ仕事ができるかわからないし、そもそも雇ってくれる企業が存続するかもわからない。
だから、「使用人としての価値」ではなく「仕事を作る側としての価値」をあげなくてはならないのだ、と説きます。そのためには、「天才になる」「面白くなる」ことが必要で、そこにたどり着く手段としての「スマートノート」を提案しています。
継続を重視したノート術
私自身、以前にシステム手帳にハマったことがあります。
コレだ!と思いましたよ。いままでの自分のムダな情報管理や仕事の仕方がバカらしく思えて、システム手帳さえちゃんと使いこなせれば、なにもかも上手くいく、そう思って熱心に使っていた時がありました。
でも、数週間で挫折しました。
だって、手間が多すぎます。
スケジュール帳に記入して、毎週初めに週間予定に転記して、会議のメモは会議ごとにフォルダに分けて、また議事録として転記する。
1日中、シャープペンシルと消しゴムで小さい手帳相手に格闘するのには、ほとほと疲れ果ててしまったのです。
(中略)
私たちが望んでいる「雑事が楽になればいい」程度の動機で使いこなそうとするのは、大げさでムダが多すぎる。
あなたを天才にするスマートノート・電子版プラスより引用(太字は筆者)
頑張ってやった結果、「なんか結果が出ない気がする」→「やり方が良くないのかな?」→「なんか新しいやり方の本を見つけた」で次々に新しい手法を試していくことを「思考法ジプシー」に陥っているとしています。
同じく岡田斗司夫氏が考案したレコーディングダイエットを「継続可能なダイエット法」としていて、同じようにスマートノートも継続を重視しています。
継続しやすいから、毎日の努力も小さく、その積み重ねの効果は大きい。
ダイエットと同じくノート術も、もちろん試行術だって、続けることが大切です。
そのためには、「無理せず」「楽しく」が基本になります。
あなたを天才にするスマートノート・電子版プラスより引用
スマートノートの7段階
この「継続可能なノート術」を実現させるために、スマートノートは7段階に分かれています。
野球をしよう!となった時に、いきなり野球チームを結成して試合開始!とはならないように、まず野球ゲームで試合の展開を覚える、とか、キャッチボールをできるようにする、とか、段階を踏んで野球の試合ができるようになろう!というのと近いと思います。
- 5行日記(行動記録)
- 今日はどんな日?(行動採点)
- 毎日1見開き(論理訓練)
- 見せてお話(表現訓練)
- 臨界突破(脳内リンク開始)
- 知識→教養→見識
- 世に出る
以前、「世界は日記でできている」で書いた「5行日記」はこの1フェーズ2フェーズの部分に当たります。
その他特記事項としては、もうすでに毎日ノートを書いている場合、1フェーズは飛ばしてもOKということです。
7つフェーズそれぞれについても詳しく書きたいですが、それはもう本を読んで、ということにしたいと思います。めんどくさいからじゃないよ、ホントウダヨ?
この本を読んでわかったこと、印象に残ったこと
というわけで、ここから、内容の要約とかではなく、この本を読んでわかったことや印象に残ったことを書いていこうと思います。
継続が大事
最近、改めて思うことですが、今まで自分がいろんなことに挑戦してきて、なにも物にならなくて「自分才能ないな……」みたいなことを思ってきたんだけど、単純に練習量が足りなかっただけなんじゃないのかと。
この本を読んで改めてそのことに対する思いを強くしました。
「どうやって痩せるか?」はどうでもいい。
問題は、「どうやって1年続けるか?」ということなのです。
あなたを天才にするスマートノート・電子版プラスより引用
「どうやってやるか」ということを考えるよりも「どうやってモチベーションを保ち続けるか?」
第3段階の「論理訓練」のところでも、論理は肉体訓練で、毎日書く以上の訓練はないと書いています。
大した練習もしてないのに、結果が出ないと勝手に落ち込んで、次々手を出してします。
結局それが結果が出てない原因でもあるのに、そのことに気が付かず(というか意識的に目を逸らして?)、同じことの繰り返しだったわけです。
それを変えていかないといけないなと。
改めて、物事をしっかりと継続することの大切さを痛感しました。
ノート術は農業と同じ、というところにも通じますが、練習もちょっとやそっとやった程度ですごい成果が出るわけでもなくて、本当に進歩というのは目に見えないぐらい少しなんですよね。
ノートは腐葉土、という言葉もこの本には出てきますが、何かを練習すること、トレーニングすること、考えることというのも同じなんじゃないのかなーと。
絵の練習を1時間したからといって、ものすごい絵が上手くなることはない(と思います)けど、それをずーっと繰り返していくと、だんだんわかってくる、というか、少なくともある程度自然に描けるようになってくる。それをまた繰り返していると、ちょっとずつ進歩をしていく。そのことの繰り返しなんじゃないのかなと。
一回一回の練習とか創作とかそういうのは、腐葉土のように、蓄積させていった結果、最終的に豊穣にたどり着くんじゃないのかと。
そういう一見ムダというか成果が出ていないように見えても、しっかりと物事を継続していくことの大切さというのをこの本を読むことで改めて認識することができたと思います。
効率を求めすぎない・身体的に物事をやっていく。
ノートを検索できるようにしたい、という悩みに対して、岡田斗司夫氏はこのように書いています。
自分のノートや日記をデータベース化して検索できるようにしても意味はない。ノートによる思考法というのは「農業」なので、大地を肥沃にしてあとは収穫を祈るだけだ。書いたことが思い出せないなら、もう一回書け、と。
一人合宿の時にも書いたんですが、結局、書いたノートって検索してないんですよね、言われてみると。
なので、検索できること、整理されていること、そういうことをつい求めてしまっていたんですが、個人的にはこの「農業的なノートの使い方」「整理も検索もしない」そういうやり方に魅力を感じます。
脳を近代工業のように、効率よくつかう、ではなく、もっと農業的に、身体的に、地に足のついた使い方を継続していく。
そこが重要なんだなと思いました。
私がスマートノートを「ノート術」と呼ぶのは、人が身につける技として覚えてもらうためです。繰り返し日常で使うことで初めて見つけられるもの、それが技術です。
(中略)
資質や才能が関係するので、その人なりの伸び方や限界値なども出てくるのは確かですが、やってない人よりは明らかな差が出てきます。
そのための繰り返しです。
あなたを天才するスマートノート・電子版プラスより引用(太字は筆者)
ノートに余白を作る、余白があることの重要性
1見開きのところで書いていましたが、ノートの見開きを金額に換算すると大体3円くらい。
3円より価値のない人生の1日なんてないんだから、ガンガン見開きで使っていこう!
というのを読んで、ノートに余白があることの重要性を感じました。
自分がノートを書くとき、結構びっちり書いてしまうんですよね。
なんか勿体無い気がして、後で読みやすいとかそういうのをなにも考えずに上から下までびっちり文字で埋め尽くしてしまう。
でも、冷静にコストを計算すると、「そんなにもったいない」と思うほどでもなかったなと思います。ミニマリズムにも通じるかと思いますが、ものがあると「もったいないから」と捨てられなかったり、使い切らないと、と思いがちですが、改めて冷静にコスト計算すると、それで苦労したり苦痛を覚えるぐらいなら、さっさと捨ててしまってやり直した方が、総合的にみると得だったりってことは多いですね。
「もったいない」と思うことは大事で、ものを大切に使うことは大事なことなんですが、かといってそれにとらわれすぎてしまうのも良くないですね。ほどほどが大事。
上から下までびっちり文字を書くことにとらわれすぎていると、考えるためにノートを書いているのに、文字を書く方に気がとられてしまって、本末転倒になってしまいますし、そうなっていました。
やっていきたいこと
わかったことはさておき、やっていきたいことはこんな感じです。
- もっとノートを書く、ノートに限らず書く量をもっと増やしていく
- テクニックを少しずつ試行錯誤、意識して同じテクニックを使ってトレーニングをしていく
- ライフハック・ジプシーをやめよう!
もっとノートを書く、ノートに限らず書く量をもっと増やしていく!
ノートが農業で、書いたことが腐葉土なら、とにかく書きまくることが大事です(無茶苦茶な結論)。
今まで上手く書けないという悩みはありましたが、結局それは書く量が足りないんじゃないのか。
この本を読んだことで?
というわけではありませんが、今はとにかく書くことへの意欲というか、そういったものがすごく高まっています。
書こう!
意識して同じテクニックを使ってトレーニングをする
この記事では、Cocoonに最初から入っているラベルボックスを意識して使っています。
Cocoonの機能も意識して少しずつ使っていってできることの幅を広げていかないとなーと思っています。最近吹き出しは覚えましたが!
先ほど、Cocoonの話をしましたが、最近いろんなツールが話題になります。
NotionだったりObsidianだったり、そういったやつ。
で、今までそういうものをあれこれ手を出して、上手く使えなくて使うのをやめる、みたいなのを繰り返していました。
ネット上のすごい活用例をみて、すげーって使い始めるんだけど、結局すごい活用例みたいな使い方は一向にできず、Notionの場合、テンプレートとかをもらってきても、その通りに使えたことないです。
すごい人がいるのはまあ確かなんですけど、あんまりすごい人のすごい活用例みたいなのを意識しすぎない方がいいなあと思いました。
結局、ツールを使うことが大事なんじゃなくて、成果物、創作したものの方が大事なわけで……。
なので、自分にできることを一つずつ増やしていくことのほうが大事だなと。
意識して、一つのことを繰り返して、それができるようになったら次のことに手を出す、というループに変えていかないと思いました。
ライフハック・ジプシーをやめよう!
先ほど、最近話題のすごいツールをすごい活用例をみて使い始めて、それが出来なくてやめるループに陥っている、という話をしましたが、ネットニュースとかでみるすごいライフハックとかもその傾向があると思います。
すごいやり方。ベストプラクティス。
色々言い方はありますが、そういう見出しで記事や情報がいっぱい出ていて、すげーってなにも考えずに手を出して、結局それが出来なくてやめるループ。
時間だけが経過して自分はなにも変わってないループ。
この本で「ノート術ジプシー」「思考法ジプシー」と書かれているところを読んだ時、「まさに自分のことだな……」と我が身を振り返ってしまいました。
それを断ち切らないといけないのです。
ライフハックの記事や本を読んで、なにも考えずにあれこれ手を出して「上手くいかない……」と自分を卑下したり、何か新しいやり方があるはずとまた別の情報に逃避するループ。
「ライフハック・ジプシー」をやめようと思います。
地に足のついた、身体的な技術を身につけたいです。そのための努力をします。
はい、というわけで、「あなたを天才にするスマートノート」の感想です。
実は結構書くのに時間がかかってます。
構成は考えてたんですけどねー。
ノート術ジプシーやめる!と書いたところで、すでに5冊ぐらいノート術本を読んでいたので、これから、後3冊ノート術本について書きたいと思います。
それでは!
で、スマートノートはやってるんか?
す、少しずつね!
あっ(察し)
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