今回は、ゆうびんや(@do_mailman)さん著『世界は「日記」でできている〜自分の人生を取り戻す21の日記の技法』について書いていこうと思います。
一言で言うと「読みやすくて手っ取り早い日記術のカタログ」です。
章分けは全6章で、ざっくりとまとめると……
著者の日記への思い→日記の効果→日記術の紹介→実際に日記を書いてみたときに直面すること(困ったとか)→日記の活用法→改めて日記について書いて〆
と言った感じです。
サブタイトルで「自分の人生を取り戻す21の日記の技法」と書いてる通り、著者は日記を書くことで自分の人生を取り戻せる、として、そこにたどり着くための日記の効果として「自分を編む」ことだといっています。
日記を書くということは、人生の1日を「編集する」ということであり、それを続けることで自分の人生を紡ぎなおし、最終的には自分の人生を取り戻すことができる、ということです。
そのための日記術21個を、
- 繋げる
- 向かう
- 固める
- 揺さぶる
- 広げる
の5つに分類しています。
まずはざっくりと日記術について書いて行こうと思います。
紹介されている日記術
この本で紹介されている日記術を名前と概略ぐらいですが、ざっくりとここで書いていきます。
繋げる
ここで紹介されている日記術は4つです。
- 行動日記
- 1行日記
- 3行日記
- 5行日記
行動日記というのは、いわゆる普通の日記です。日付と今日なにをやったのかを書く、以上です。
1行日記は、行動日記を簡略化して、日付とその日あったことを一つだけ書くだけです。
3行日記は、順天堂大学医学部教授の小林弘幸という人が考えたもので、日付を書いて、今日1番失敗したこと、今日1番感動したこと、明日の目標を書きます。
5行日記は、岡田斗司夫氏が考案したやつです。「あなたを天才にするスマートノート」という本の中で紹介されています。5行日記に関しては次の「気になった日記術」のところで詳しく書きたいと思いますし、「あなたを天才にするスマートノート」も読了しており、近いうちにブックレビューを書きたいと思います。
軽く説明すると、見開きの右ページに日付と今日あったことを5つ書く。今日あったこと5つに対して、5点満点で点数をつける。見開きの左ページに感想を書く、という感じです。
向かう
ここで紹介されているのは3つです。
- 3分間日記
- 4行日記
- 未来日記
3分間日記は、朝と夜に日記を分割して書くテクニックです。朝は目標とやりたいこと。夜は今日の出来事とその感想、感謝したいこと、成功法則を書きます。今村暁氏が「3分間日記 成功と幸せを呼ぶ小さな習慣」という本で提唱しています。
4行日記は、小林恵知氏が「1日5分 目的・目標を達成させる4行日記」という本で紹介している方法です。これについても「気になった日記術」のところで詳しく書きます。事実、発見、教訓、宣言、の4行で日記を書きます。
未来日記は、ヤンデレなやつでユッキーユッキーするやつ、ではなく……。「引き寄せ日記」とも言われていて、未来にやりたいことを書くという日記です。つまり、未来の願望を先取りして書いてしまうっていくやつです。あえてフィクションを書くというところが、他の日記とは一線を画しているところです。
固める
ここで紹介されているのは、4つです。
- ユビキタス・キャプチャー
- アンチロマン日記
- 選択日記
- 日記療法
ユビキタス・キャプチャーは、ユビキタス(遍在)の名前の通りに日記を常に持ち運んで、何かあるたびに日記に記入するという使い方です。
アンチロマン日記は、阿久悠氏が書いていた日記らしいです。ロマンを極力取り除き、社会で起きていること(ニュースとか)をそのまま記録するという日記です。
選択日記は、コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授が作ったら日記で、その日下した選択とそこに至る試行プロセスと用いた情報を書く日記です。
日記療法は、その名の通り、精神科の治療的なやつです。なので詳しくは書きません。めんどくさいから。
揺さぶる
ここで紹介されているのは6つです。
- 練習ノートABC
- 感謝日記
- 杞憂日記
- いいこと日記
- 夢日記
- 連用日記
練習ノートABCは詳しくは「気になった日記術」のところで書きます。ノートを3冊用意して、それぞれABCとして、Aに日々の出来事を見開きの片方に、Bに考えたことを見開きの片方に、Cには作り話を書く。見開きの空いた方にノートに書いたことを素材して創作する、というものです。小説家や脚本家のようなクリエイターが創造力を高めるための日記術です。
感謝日記は、その日あったことで感謝したいことを3つ書くという日記です。
杞憂日記は、その日心配になったことを書く日記です。心配になったことの9割は実現しない、とか言われる通り、心配になったことを日記に書いて、しばらくして読み直すことで、不安が杞憂でしかなかったことを実感することができるらしいです。
いいこと日記はその日あったいいことを書く日記です。感謝日記は「感謝したいこと」を書く日記ですが、いいこと日記は「自分にとって嬉しいこと」を書く日記です。
夢日記は、その日見た夢を書く日記です。夢というのは、目標とか目的という夢ではなく、寝ている間に見た方の夢です。
連用日記は、いわゆる3年日記とか5年日記とか1ページに複数年の記入欄がある日記です。1月1日のところに2023年、2024年、2025年、って欄があるようなやつ。この日記のいいところは、日記を書くときに自動的に以前の日記を読み直すことになるので、年月の変化を実感することができます。
広げる
ここで紹介されているのは3つです。
- シナリオ日記
- 家族日記
- 共同日記・公開日記
シナリオ日記は、脚本家養成学校の代表小林幸恵氏が発案した日記です。シナリオ形式で日記を書きます。シナリオ形式で書くことによって、感情を配して出来事を客観的に見ることができるらしいです。
家族日記は、家族(に限らず恋人などのパートナーや友人など)と交互に日記を書いていくものです。小学生とかのところにやっていた交換日記みたいなものです。
共同日記・公開日記は、旅館とかオタクショップとかにあるノートとか、Twitterとかブログとか、そういういろんな人が読める環境にある日記のことです。まあ、ブログ的なやつですね!
気になった日記術
というわけで、ざっくりとこの本の中で紹介されている日記術については紹介できたかと思います。
ここでは、その中で個人的に気になった日記術について掘り下げて書いて行こうと思います。
5行日記
この「5行日記」は岡田斗司夫氏の「あなたを天才にするスマートノート」が初出なので、詳しくはそちらを参照したほうがいいです。
実際、僕も「あなたを天才にするスマートノート」を読みました。
「あなたを天才にするスマートノート」の記述も踏まえてざっくりとまとめていきます。
この本「世界は日記でできている」では、見開きノートの右ページに、その日あったことを5つ書いて、採点(0〜5点)する、ぐらいことぐらいしか書いてないです。
「あなたを天才にするスマートノート」では、その意図が語られています。それは、ノートをつけるということを習慣化する、ということです。
岡田斗司夫氏はダイエットの本も書いているので、ダイエットに準えて理由を説明しています。つまり、世のダイエット法はちゃんと実行できればほぼ間違いなく痩せる。問題はどうやって続けるか、だ。
そのために、極限まで?簡素化したのが5行日記ということですね。
ちなみに、行動に点数をつける理由は、「評価のボキャブラリーを増やすため」と「あなたを天才にするスマートノート」の方には書いてあります。最近の学生には極端な表現しかできない人が多い、と。0点か100点でその中間がない。なので、モノクロの濃淡をつけるように、点数を刻む必要があるのだ、と。
左ページを開けるのにも意味はあって、「もったいない」という気持ちを誘発することで、評価や点数で表せない「どうでもいい」けど「大切なことかもしれない」ことを書けるようにする、ということです。右ページがブログだとしたら、左ページはコメント欄として使って欲しいとあります。
「世界は日記でできている」でも、5行日記は、1〜2段階目と表現されている通り、「あなたを天才にするスマートノート」では、さらにその先の展開もあります。
3段階目では、毎日一見開き書くことで、論理力と表現力を、4段階目では、表現訓練を、5段階目では書いたことをそれぞれリンクさせて発想力強化、6段階目で人格を強化して、7段階目で世に出る、という感じです。
統合的人格の形成なんて、岡田斗司夫氏に言われても……感は否定できないところですw
詳しいことは、「あなたを天才にするスマートノート」のレビューの方で書きたいと思います。
なお公開未定!
毎秒書け
4行日記
これはいま、毎日ではないですが、それなりに書いています。……とはいえ、5行日記と違って原著の方には当たってません。そのうち読むかも。
事実、発見、教訓、宣言の4行を書きます。
事実はその日あったことを書く、つまりは1行日記です。
発見はその日あったことから気づいたこと、教訓はその「気づき」を抽象化して書きます。
そして、最後に宣言です。この宣言は「これからやります」というよりは「私は今こういうふうです」という現在進行形で書きます。
ある程度長い間、「宣言」の部分を書き続けていくと、「どういう方向にいきたいのか」が見えてくるという感じです。
つまり「宣言」の部分を読み返すことで、自分の目標、自分の目的をしっかりと見つめ直す、考える材料にするわけです。
著者の方は「宣言」の部分を「すでにできているもの」として書くことは、「かえって目標を遠ざけてしまう可能性があるデメリットがある」と書いています。
その意見そのものには同意しますが、個人的に4行日記を書くメリットというか、価値としては「自分のやりたいこと」「自分のなりたい姿」を考えるための材料を作る、ということだと考えてます。
今の所毎日書くことはできてないですが、これからも書き続けていって、「自分がどっちにいきたいのか」を真剣に考えたいと思ってます。目的不在というか、結局自分が何をしたいのかがよくわかんないですよねー。
練習ノートABC
これは当面、やんなくていいかなーとも思いつつ、一方で、「ノート余りまくってるから、これ使えば一瞬で使い切れるんじゃね……?」的な邪な考えもあり、ちょっと気になっています。
まずノートを3冊用意します。
それぞれをノートA、ノートB、ノートCとします。
1日につき各ノートを見開きで使用します。
ノートAの見開き片方にその日実際に自分の身に起こったことを書きます。同じように、ノートBにはその日考えたこと小説などの感想、ニュースへの印象、ノートCには作り話を書きます。
各ノートの見開きの片方を埋めたら、もう片方のページにそれぞれを素材にした創作を書きます。
小説家の井上光晴氏が考案した手段で、著書「小説の書き方」の中で紹介されているそうです。つまり、小説の創作力を向上させるための日記術ということです。
この練習ノートABCが気になった理由としては、もちろん創作力を向上させたい!という願望があることは否定できませんが、それよりも強く印象に残った理由があります。
それは、日記を書く上で、一冊のノートだけを使う必要はなくて、必要に応じて複数冊のノートを使えばいい、ということです。
まとめ:日記術・ノートの使い方は今後も学習・実践・強化していきたい
というわけで、紹介されている日記術の内容をメインに「世界は「日記」でできている〜自分の人生を取り戻す21の日記の技法」についてレビューをしていきました。
実はすでに何回か読んでいるのですが、このブログ記事を書くために改めて読み直してみると、参考になる部分もやっぱり多くあるなと思うのと同時に、それぞれの日記術を実践する上では原典に当たって見ることが重要だなと思いました。
この本をおすすめしたい人は「日記を書きたい、書いているけど行き詰まっている」そんな人で、かつ、「そのためにどんな方法があるのか」をいろんな人や本の考え方を横断して俯瞰的に調べたい人、だと思いました。
日記術全部で20個しかないけど?
残りの1つは「合計で20個にしかならない日記術」をみたみなさんがしたことです
faridyuやめーや
マジレスすると、最後の21個目は、これらの日記術を使って「自分を編む」ということです。
まあそれは置いておいて(おいといていいことじゃない)
学生時代に購入した大量のノートがまだ余っている(ノートを買えば勉強できると思ったんだな——そこはガジェットを買えば創作活動ができるなんて考える今と大差ない)ので、日記術、ノート術についてしっかりと学んだり情報を集めたり実践したりして、今後も改善を加えていきたいと思います。
これからも、日記術・ノート術の本を読んで、このブログでまとめていくのでよろしくお願いします!
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