【成長の見えない人生を送ってきました……】『先が見えない時代の「10年後の自分」を考える技術』を10年ぶりに読んだ感想

ブックレビュー

本棚を整理するという個人的プロジェクトを実行しており、本棚に死蔵されている本をあらためて読み直したりしている昨今です。

というわけで、今回は西村行功(にしむらみちなり)さんの『先が見えない時代の「10年後の自分」を考える技術』について書いていきます!

2012年6月発行……10年も死蔵されていたのか

今回の記事はかなりの難産でした!結局一回読んだだけでは、全然中身を理解できてないってことやね……(ゲッソリ)

そんな中で、10年前に購入した「先が見えない時代の「10年後の自分」を考える技術」をあらためて読み直して、心に刺さるものがあったので、読書感想文、レビューなどなどを書いていこうと思います。

つまり10年間何一つ成長してなかったんやな……

この本はこんな人におすすめ

  1. 人生計画や人生戦略を練りたい人
  2. 20代前半の人
  3. 10年で色々と積み上げたい30代の人

ってなんかありがちな話になってますね、反省。

「今の自分は『10年前の自分が思い描いた姿』ではない」という確信だけはある。

この本を購入したのは普通に10年以上前です。

そのときに一度読んでいるはずなのですが、ページを捲り始めた段階では、どんなことが書いてあったのか、という記憶は正直なかったです。

そんな中、問いかけられたのは「10年前の自分はどんなことを考えていたのか?」という質問でした。

改めて考えてみると、10年前の自分がどんなことを考えていたのか。

少なくとも、仕事に関してはもっと違うことを考えていたなということを思い、それ以外には特に何も思い浮かばなかったんですよね。

ただ一つ言えることは、今の自分は、10年前の自分が「こうありたい」と考えていた姿とはまったく違うということです。

現状維持ができてしまうので、現状維持をし続けた結果、何一つ未来をいい方向に変えることができなかったのが、今現在の姿なんだろうな、という現実をいきなり突きつけられました。

未来のために今、変わらなければならない

この本の中ですごくかっこいいと思った一節

いうて自己啓発書では割とありがちでは

それ以上いけない

改めてこの本を読んで思った——未来のこと、目標を考えて生きていくことが苦手なんだなって……

10年ぶりにこの本を読んで、その上でこの読書記事を書いていて気づいたことがありました。

それは、自分があまりにも「未来のことを考えて生きていく」ことが不得手なんだということです。

この本を何回か……何回も読んで、未来のことを考えてみようと思ったのですが、正直書いてあることがピンとこないんですよね。

書いてあること自体はわかるんですが、書いてあることを踏まえて、どう現実の自分に落とし込んでいくのか、ということがわからないんですよね。

「高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応!」って感じで生きてきたので!

それはつまり行き当たりばったりということでは……?

いわゆる「戦略」についての本を好んで読むのは自分にないものを求めていたっていう気づき

実は結構ビジネス戦略の本とか軍事戦略の本を好んで読んでいたりします。

読んでいたりするんですが、その割には自分は戦略的に生きられてないよなって思ってました。

この本を読んで気づきました。

自分は「戦略的に生きる」ということができないからこそ、「戦略」について惹かれていたのだ、ということです。

この本を読んでいていいなと思った言葉

  • 未来のために今、変わらなければならない
  • 人は誰でも現状維持がもっとも楽だ。不満はあっても日々なんとかやり過ごしていければ、深く考えたりする必要はない。ましてや、新たな一歩を踏み出して、あえてリスクを取るような行動に出ることなど望まない。しかし、そういう意識こそ「危険」なのである。
  • 漠然と生きていると、いろいろな出来事が「想定外」ということになってしまう。
  • 大リーガーを夢みない人間が、たまたま大リーガーになるなんてことはない。彼らは夢を見たから、夢を叶えたのだ。
  • 「いつかやる」は「いつまでやらない」と同じこと
  • 選択肢が広がるほうを選ぶのが鉄則
  • 結局、こういった日々の「小さな意思決定」を積み重ねていくことでしか、自分の望む未来は手に入れられないのではないか
  • 戦略とは、やらないことを決めること
  • できないことを計画するくらいなら、できることにフォーカスして計画すべきなのである。
  • 休息を取りたいが、やりたいこともぜんぶモレなくやりたい。これは気持ちとしてはわかるが、こうした態度では、真に行動力のある人間にはなれない。
  • すべてができないなかで、本当にすべきことはなんなのか?そこを真剣に考えないと、本当にあっという間に40歳になってしまう。そのときに後悔しても、時間はけっしてあと戻りはしてくれない。
  • やらないことをしっかり決めて過ごす10年と、なんでもやりたいと漠然と考えながら過ごす10年とでは、大きな差がつく。

「10年後の自分を考える技術」とはなんなのか?この本で紹介されている3つの要素

本のタイトルにある「10年後の自分を考える技術」というのは、要するに3つの力です。

それは

  1. つながり思考力
  2. 先読み力
  3. 一歩を踏み出す行動力

この3つの力について説明されたことを、ざっくりと要約してみようと思います。

つながり思考力

この部分での主要なキーワードはシステム思考です。

システム思考というのは、複数の因果関係を高い視点から俯瞰して、それがどのようなサイクルで成り立っているのか、物事の構造を図解して捉える思考法、と本書内で定義されています。

この点で注意すべきこととしては、因果関係と相関関係を誤解しないことです。

サイクルの考え方として、拡張フィードバックループとバランスフィードバックループの二つがあると紹介されています。

拡張フィードバックループというのは、物事が大きくなっていくループです。

バランスフィードバックループは、拡大を続ける物事が限界に達して縮小均衡していく流れを表したループです。

この二つのループを、時間軸に沿って考えていくと、歴史を深く理解することができ、未来予測——次の「先読み思考力」につながるわけです。

考える際には、ビジネス書によく出てくるような「フレームワーク」を活用すると、思考の漏れがなくなります。これを本書では「強制思考」と呼んでいます。

先読み思考力

先読み思考力は、先ほどの「システム思考」を発展させて、時間軸を未来に移していくことです。

先ほどの拡張フィードバックループとバランスフィードバックループの二つのサイクルですが、大きくなり続ける物事、というのはこの世には存在しません。いつかどこかで限界に達します。拡張フィードバックループがバランスフィードバックループに移行する瞬間ですね。

これを意識しながら、未来の場合分けをしていくことが必要となります。

未来の場合分けというのは、不確実な未来をパターン化していくことです。

確実に起こり得る未来(例:少子高齢化)を踏まえて、不確実な未来(過疎化とか日本経済の状況とか)を考えていって、どんなパターンがあり得るのか、ということを考えていくことです。

このときもフレームワークを使っての「強制思考」が有効です。

SEPTEmberというフレームワークが紹介されています。

このSEPTEmberというフレームワークは、Social(社会)、Economic(経済)、Political(政治)、Techinical(技術)、Environmental(環境)の略です。

こんな図を書いて色々な要素を検討します。

西村行功著先が見えない時代の「10年後の自分」を考える技術P.236-237より引用

一歩を踏み出す行動力

「先読み思考力」の部分で複数のシナリオを検討すると、その複数のシナリオで共通する「すべきこと」が、まず手っ取り早く実行すべきことになるわけです。

ただ、実際、シナリオを作る、と言っても、完璧な未来のシナリオを描くことは実際不可能なので、シナリオと現実が乖離し始めた時どうするか、ということもここで述べられています。

具体的には、現実の変化の予兆となりうるアーリー・ウォーニング・サイン(EWS)を探すこと。小さな修正を繰り返していくこと。

修正を前提に行動していくための方法として、「ブレイクダウン法」と「アローダイアグラム法」というのが紹介されています。

「ブレイクダウン法」は、ToDoを細分化したものを並べて、それらを付箋に書いて、カレンダーなどのスケジュール表に貼り付けます。

できる日に貼り付けて、何か予定が入ったら動かす、ということですね。

「ブレイクダウン法」だと、やるべきことに順序があるときに対応できないので、そのときに使うのが「アローダイアグラム法」です。

これは図を書いていきます。

先が見えない時代の「10年後の自分」を考える技術P.313の図を参考にして記事執筆者作成

どうしても動かせない順番を「クリティカルパス」と呼びます。

タスクが完了していないといけない期日を基点にして、各クリティカルパスをどれくらい前に実行していかないといけないのか、ということを考えていくものになります。

まとめ:10年後の自分を考えることで、この10年を充実したものにする!

「戦略とは、やらないことを決めること」

この文章を10年前に読んでいたにも関わらず、10年間、「なんでもやりたいと漠然と考えながら」過ごしてしまいました……。

そして、結局のところ、何一つ成し遂げることができませんでした。

やらないことをしっかり決めて過ごす10年と、なんでもやりたいと漠然と考えながら過ごす10年とでは、大きな差がつく。後者は、何も達成できていない可能性がきわめて高い。

後者の典型的パターンを実行してしまいました……OTL

本を読んで、10年経って、改めて読み直して、自分が失敗した10年を過ごしてしまったということを痛感しました。

一度失敗してしまった以上、次は失敗しないようにしたいです。

正直、この本を読んだところで、「未来について考える技術」が身についたとは到底思えませんし、やっぱり自分はそういうことを考えるのが苦手なんだなと痛感することしきりです。

それでも、これからの10年を充実したものにできるようにしっかりと考えていこうと思います。

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