以前からちょくちょくゲーミング環境を整えてるよーって話をしていますが、ゲーミング環境強化計画の一環として、HyperXのヘッドセット、Cloud Orbit Sを購入しました!

HyperX Cloud Orbit Sって?ああ!
まずはこのヘッドセットの素性について書いていきます。
HyperXの最上位ゲーミングヘッドセットです。
ってそれだけで終わりはしません。流石に。
高級オーディオメーカー、Audezeが出したゲーミングヘッドセットMobiusのOEM版、それがこのHyperX Cloud OrbitSです。
つまり、中身は同じで、MobiusにあるBluetooth機能を削除したものになります。
その特徴は、Audezeの平面磁界ドライバーというのを使っているということ。ちなみに、技術的にどういうものなのかはよくわかりません!
なんとなくすごそうだなーレベルです。

それから、3Dオーディオ機能とヘッドトラッキング機能を搭載してます。
最近流行りの空間オーディオというやつですね。
頭の位置をトラッキングして、それっぽい感じに聞こえるように音を調整するっていうハイテク技術です。なんとなくすごそう。けど、ゲームには使わなさそう。
Audezeって?ああ!
Audezeはアメリカの高級オーディオメーカーになります。
例えば、これ、LCD-2というAudezeのヘッドホンですが、995ドル、大体11万円ぐらいします。

最上位のLCD-5というヘッドホンになると、4500ドル、記事執筆時のレートで51万円(!)ぐらいになります。

正直頭おかしい……。
まあそんな頭おかしい高級オーディオメーカーがゲーミング市場への参入のために作ったゲーミングヘッドセットがMobiusです。
値段は大体5万円ぐらいですかね。
このMobiusからゲーミング用途では不要なBluetoothを削除したのが、HyperX Cloud OrbitSになります。
Cloud Orbit Sにした理由
色々とハイエンドゲーミングヘッドセットのレビューをあれこれ見ていたんですが、とにかく音質最強!って声が大きかったので、これにしました。
ゲーミングヘッドセットを買う上で求めた条件
- マイクを使うことはないので、マイク音質は除外
- 3Dオーディオないし、サラウンド機能がとにかく優れているモデルが欲しい
- ヘッドホンとしての音質が優れているモデルが欲しい
- できれば音楽とかも聞けたり、多目的に使えるモデルが欲しい
FPSゲーマーなら、マイク音質は大事だと思います。ボイスチャット使いまくるでしょうから。
ただ、僕はソロゲーマーであり、ボイスチャットとかリア充っぽい行為にはとんと縁がないです。
しかも、FPSしないので、余計にボイスチャットとかの必要性が……。
仮にゲーム配信とかすることになったとして、その時はちゃんとした外付けマイク買えばよくね?
という考えなので、ヘッドセットだけど、マイク音質については除外して考えることに。
3Dオーディオ!
やっぱり時代は、空間オーディオです。AppleのAirPodsシリーズを持ち出すまでもなく、ソニーも360Reality Audioとかプッシュしてますし、ゲーミングにも3Dオーディオが欲しいです。
3Dオーディオがないにしても、バーチャルサラウンドとかの性能が優れているモデルが欲しいです。
FPSゲーマーなら、足音とかをしっかり聞くためには、バーチャルサラウンドとかはかえって邪魔とかはあり得るんでしょうが、RPGとかレースゲームとかシミュレーションゲームとかをメインでプレイするソロゲーマーとしては、抜群の臨場感を味わいたい!
それを考えると、やっぱりバーチャルサラウンドがあるに越したことはないよな!と考えました。
そんなわけで、とにかくマイク音質なんてどうでもいい、ゲーム用ヘッドホンとしての音質が優れているモデルが欲しい!というのが要望です。
ハイエンドのヘッドセットを買うわけだから、ゲームだけではなく、音楽とかも聞けたら楽しいなーというのが正直な感想です。
なので、ゲームだけでなく、音楽にも使えるような高音質なヘッドセットを買おう!と思いました。
レビュー数は少ないが、音質の高さへの評価が高いHyperX Cloud Orbitシリーズ
このHyperX Cloud OrbitSと下位モデルのCloud Orbitですが、Audeze(オーデジー?)というアメリカの高級オーディオメーカーが作ったMobius(1)というゲーミングヘッドセットのOEMとされています。
MobiusにはBluetooth接続で普通のヘッドホンとしても使える機能があるのですが、それをオミットして値段を下げたモデル、ということですね。
このAudezeというメーカーは、本来は何十万円とする高級なヘッドホンとかを作っているメーカーで、その高級オーディオメーカーが本気で音質を追求したゲーミングヘッドセット、それがMobiusであり、その血はHyperX Cloud Orbitシリーズにも受け継がれています。というか、無線機能がないだけでほぼ同じモデルなので同じ音です。
その高級オーディオメーカー渾身の音質は、Youtubeとかのレビューなどでも絶賛されています。
そんなわけで、とにかく音質は素晴らしいということです。
ヘッドホンとしての、ですが。
マイク音質はバッテリーなどのノイズが入るのかイマイチという評価。
ヘッドホン部分の音質は最高だけど、マイク部分の音質はイマイチ、ということで、ゲーミングヘッドホンをレビューしているYoutuberとかからはあまりいい評価はありません。総合としては。
ただ、どのレビュワーもヘッドホン部分の音質は褒めてます。
そんなわけで、マイク音質はどうでもいい僕には最適のヘッドセットでは?と思ったのでこれを選ぶことにしました。
対抗馬であるROG Theta 7.1やJBL Quantum ONEとも比較してみた
個人的に対抗馬は、ROG Theta7.1やJBL Quantum ONEかなあと。
どちらも試着してみました。
Theta 7.1は装着感はこの3種類の中で一番優れています。
すごくいいです。しかも、無茶苦茶かっこいい。デザインは一番好きです。
ただ、Theta7.1、如何せん重い。装着感の良さを台無しにする重さ。
すごく重い。とにかく重い。
Theta 7.1ユーザーの皆さんには申し訳ないですが、あまりにも重すぎるというのが個人的な感想です。
装着感は側圧が強すぎるとかもなく、クッションも柔らかくてすごくいいんですけどね。
JBL Quantum ONEですが、これはこれでいいなあと思いました。
ただ、個人的に納得いかなかったのは、デザインです。
ゲーミングゲーミングしすぎてて、ちょっとアレかなーと。
ROG Theta7.1もゲーミングしてる感じの見た目ですが、結構高級感あって、すごくロマンあって素敵な感じなのですが、QuantumONEはちょっとやりすぎ感を覚えるんですよね。
装着感
側圧はやっぱりかなり強い印象ですね。
側圧が強いことを除けば、装着感そのものは悪くないです。
重量は結構重い方なのですが(ROG Theta 7.1に比べれば軽いけど……)、重量を感じさせない程度には装着感は良好です。
有線ヘッドセットなのですが、ケーブルが邪魔とかそういうこともなく(ROG Theta 7.1はケーブルが両側から出るので、結構ケーブルが邪魔というレビューがあった)、ケーブルの存在を意識するときはそんなにないです。
長くつけていても、そんなに違和感を覚えることもないです。普通に良質な装着感だと思います。側圧が強いのが嫌な人はちょっと向かないかもですが。
ただまあ、ヘッドホンによる難聴のことを考えると、そもそもあまり装着感が良くない方がいいのかもしれないけど。
音質
魂消た
これはヤバいです。
今まで聞いてきた音はなんだったのかと思うレベル。いや、流石に過言かな?
手元にあるイヤホン、Apple Airpods ProやSony WH-1000XM2と比較しても如実に音が良いです。

音質の良さを評価する語彙が少ないので、音がいい音がいいしか書けないのですが、買ってきて最初試しに音楽を聞いてみようと、音楽を流したら、ゲームそっちのけでずーっと音楽を聞いてました。
それぐらい音質がいいです。これは神レベルです。ヤバいです。
Audezeすごい。
それこそ、この上の世界が気になるなあ……どれだけすごいのか。いやまあ、それはもうオーディオ沼なんですけどね。
あ、ちなみに、公式サイトでも他のレビュワーさんたちもほとんど触れてないですが、何気にハイレゾ対応です。どこの辺まで対応しているのかは音源とか持ってないのでよくわからないのですが、ハイレゾ音源を聴くためのハイレゾモードがあるので、ハイレゾ対応しているのは確かみたいです。
実際にゲームをやってみた@フォートナイト
というわけで、実際にゲームをやってみました。
フォートナイトです。ちなみに、僕はフォートナイトほとんどやったことない……というか、そもそもFPS好きじゃないです。
でも、PCにインストールしてあるゲームの中で、ゲーミングヘッドセットを試せそうなのがフォートナイトぐらいしかないので、フォートナイトをプレイしました。
実際にプレイしたら、すごかったです。
臨場感というか迫力というか。
ゲーミングヘッドセットでプレイしてみたら、銃声や足音の方向や距離がなんとなくわかって、交戦を開始すると秒で死ぬ僕ですら、何人か倒すことができました!
腕前が上がったとかじゃなくて、こっちに気づいてない敵を撃っただけですけど。
如実に情報量が上がるので、ゲーミングヘッドセットの性能も大事なんだなって思いました。
逆にいうと、HyperX Cloud OribtSを使ってなかったら、撃たれる方だったわけですから。
これは確かに、ゲーミングヘッドセットにこだわる人がいるのもわかるなあと思うぐらい、プレイフィールが変わりました。ゲーミングヘッドセット、すごい。
デメリットはあるのか?
3D感は正直ない——上下の定位はイマイチ
3Dオーディオ対応ですが、上から音がしている、みたいな感覚は少ないです。
それは、このヘッドホンに限った話ではなく、Apple AirPods proとか、ビクターのEXOFIELDとかにも言える話ですが、結局、今の技術ではヘッドホン、イヤホンで完全な立体音響を実現するのは無理なんでしょうね。
もちろん、ソースによるとは思いますが……。AirPods ProでApple TVの「グレイハウンド」をみた時はすごく立体的な音響を感じられたので、ソースによるところもあるとは思います。
ただ、基本的にヘッドホンでの3Dオーディオや空間オーディオはいまいち、立体感がないです。
それを持ってして、このHyperX Cloud Orbit Sを否定することはできませんが、それでも、大々的に3Dオーディオを喧伝しておいて、この程度かあ……と残念な気分にはなります。
バッテリーは正直邪魔くさいし、ヘッドトラッキングは使わない
3.5mmステレオミニでもバーチャルサラウンド/3Dオーディオを実現できるように、HyperX Cloud Orbit Sにはサウンドカードが内蔵されています。
そのサウンドカードを駆動させるために、バッテリーが搭載されており、バッテリー残量がない状態では、使用できなくなっています。(USB接続なら、内蔵サウンドカードのための給電ができるけど、3.5mmステレオミニでは給電ができないので、ステレオミニでもサラウンドを使うためにはバッテリーが必要不可欠になってしまう)
つまり、バッテリー残量を常に気にかけていないといけないので、それは正直めんどくさいなあと思います。めんどくさいです。
まあPCにUSB接続するだけなら、USB経由で充電できるので、そんなに困ることはないんですけど、PS4とかの場合は困りますよね。
必要なのはわかるけど、邪魔くさい。
そして、ヘッドトラッキング機能ですが、まったくと言っていいほど使いません。何のためについているんだろう?って疑問に思うレベルで使いません。
常にヘッドトラッキングは切ってます。
ゲームする上で、ヘッドトラッキングが有効に働く場面がまったくと言っていいほど思いつかないです。
じゃあなんで、OrbitS買ったんだよ、ヘッドトラッキングのないOrbitでよかっただろ、と突っ込まれそうですが、なぜか機能が少ないOrbitの方が高いんですよね、現在の実売価格。謎です。
マイク性能はイマイチ(らしい)
マイク使わないんで、よくわかりません。
箱を開けた時にも、マイクは箱から出すことすらしてないので……。
ただ、他のレビュアーのレビューを見ると、マイク性能への否定的な意見は大きいです。
バッテリー内蔵したせいか、バッテリーの電源系からのノイズが乗るそうです。
本当にバッテリーからのノイズかはわかりませんが、YouTubeで、レビュー動画を見たところ、確かにマイク音質はイマイチに感じました。
比較対象になっていた、ゼンハイザーGSP600とかのマイク音質の方が優れているように感じますし、他の人の意見も大体そんな感じです。
設定がめんどくさいし、わかりにくいけど絶対必要

専用ドライバソフトを入れることで、サウンドモードの設定やバーチャルサラウンドの設定ができます。
この記事でも出ているように、正直設定変更は必要です。
この画面左側に出ている3つの設定値ですね。
上が頭の大きさで、真ん中が耳の感覚で、最後が反響音の設定です。
頭の大きさに関しては、専用に紙でできたメジャーが箱の中に入っているので、それで測定できます。
というか、このスクショで僕の顔がでかいということがちゃっかりバレてしまっている気はしますがw
ROOM AMBIENCEというところが、反響音の設定で、これが初期設定が35くらいなのですが、10くらいにするとだいぶ、サラウンド感を感じつつ、音がはっきりします。35も悪くはないんですが、コンテンツを選ぶ感じですね。
設定はWindows上のドライバソフトからやりますが、この設定値自体は、ヘッドセットに内蔵されているサウンドカード(オーディオインターフェース?)に記憶されるので、PS4などのゲーム機にAUX接続した時も同じ設定値が適応されます。
ちなみに、この設定値なんですが、自分で見出したのではなく、4Gamerに掲載されている、Audeze Mobiusのレビュー記事を読んで、見つけたというか気づいた設定です。実際に試したら、確かにFPSなどでは、設定値10.0の方がすごく音源の定位がしっかりしていると感じました。

「ROOM AMBIENCE」という設定スライダーがあるが,これは部屋の残響付加量を規定するものである。
(中略)
リバーブ(reverb,残響)量が多くなると,RPGにおける「ゲーム世界への没入感を高める効果」が上がる一方で,FPSやTPSで「情報としての音」を把握する邪魔にあることが多い。逆も然(しか)りだ。
その点で,これを設定できるというのは極めて重要なのだが,筆者が試した限り,標準の35.0というのはまさに3D RPG(や映画視聴など)向け。FPSやTPS,あるいは2chステレオの音楽を楽しむという場合は10.0以下にすることを強くお勧めする。こうすることで,よりくっきりと音源の定位を把握できるようになるだろう。
https://www.4gamer.net/games/445/G044568/20181224001/より引用
耐久性が低い(らしい)
Amazonとかのレビューを読んでいると、普通に使っているだけなのに、外装のプラスティックが割れた!耐久性が低い!というレビューがありました。
僕が購入してから、その辺に適当に置きっぱなしですが、今のところ破損したりという兆候はないです。
たまたま僕のが当たり個体というか、品質のばらつきがあって、壊れやすい個体があるのかも知れません。そこはなんとも、というところですね。
結論:現状最高のゲーミングヘッド「ホン」の一つ
マイク音質については、まったく使ってないので何一つ語りませんでしたが、他のレビューを見る限り、すごくいまいちなようです。
しかし、ヘッドホン部分の音質は素晴らしく良いです。
サラウンド機能も普通のヘッドホンとしても、素晴らしく良いです。
価格は置いておいて、現状、最高のゲーミングヘッド「ホン」の一つだと思います。
僕のように、ヘッドホンの音質を最重要して、マイクの音質はどうでもいい、という人には最高のソリューションではないかと。

