【ある意味究極のホームコーヒー】Panasonic the roastについて語る!

コーヒー

ちょっと話題としては、古い話題になりますが、かの大手家電メーカー、パナソニックが、焙煎機を発売した、ということで、話題になりました。

その名も、「the roast

画像は公式より引用

その性能は、「the」を冠するに値するほどのすばらしさです。

最強の家庭用焙煎機

この「the roast」は意見は分かれるでしょうが、個人的には、家庭用焙煎機として文字通り「最強」だと思います。

その理由は、安定性と、コーヒー生豆の質、焙煎方法(プロファイルというべきか)が優れているからです。

最後に、これは家庭での焙煎での、ある意味最大の要素なのですが、「散らからない!」という最大にして最高の長所を持っています。

素人の自家焙煎は安定性と再現性に難がある

家庭での自家焙煎は、安定しません。

とくに手網焙煎はその傾向がとても強い焙煎方式です。

というのも、火力の調整は手動――というよりかは、コンロの火からどれだけ網を離すか、もちろん、人間が手でやっていることなので、厳密に調整することはできません。

当然、温度を測るのも、精度のあまりよろしくない赤外線温度計などに頼らざるを得ません。網に温度計を刺したところで、精度は知れています。

そして、排気量。焙煎には煙をどれだけ排気するか、というのも重要な要素になってくるのですが、手網の場合、完全に開放、もしくは、上にアルミ箔をはる、などになりますが、人間が手でやっていることなので、当然限界があります。

そうなると、一回一回仕上がりが全然違う、ということになります。

ものすごく美味しく仕上がることもあれば(基本的にレアですけど)、まあイマイチってときもあります(割と大体のひとはイマイチなのでは?)。

逆に言うと、それが面白みでもあるわけですが。

ともかく、安定しません。美味しくできたとしても、再現できません。

the roastの熱風焙煎

「the roast」は熱風焙煎を採用しています。

この熱風焙煎は、基本的にはプロ用、というか業務用の大型の釜に主に用いられる方式なのですが、安定性が高いのが大きな特徴です。

噴き出す熱風の温度や、量によって、完全にどの温度でどれくらいの時間焙煎するのか、というのが細かく調整でき、とても高い再現性があります。

最高品質の生豆と、プロが作った焙煎レシピ

「the roast」で使うコーヒー生豆は、パナソニックから定期コースで送られてくる生豆を使います。

この生豆は、コーヒーの卸問屋、石光商事がセレクトしたスペシャルティコーヒーのみを使用しています。

そのため、とにかくクォリティが高い!レビューを見ても、豆の品質に関してネガティブな評価はありません。

まあ、400g4000円前後なら、これぐらいはやってもらわなきゃ、っていう話でもあるのですが、とにかく品質に関しては優れています。

そして、その高品質なスペシャルティコーヒーを、福岡の有名店、豆香洞さんの(ちなみに、「とうかどう」と読みます)コーヒーマイスター、後藤直紀氏が実際に「the roast」で焙煎して作った焙煎レシピ(プロファイル)で焙煎します。

実際にプロが計算して作っている焙煎レシピを、再現性の高い熱風釜で焙煎するわけで、失敗ゼロで完璧なコーヒーを焙煎することができるわけです。

とにかく散らからない!

家庭での手網焙煎の最大の問題は、とても散らかる!ということです。

コーヒーを焙煎すると、コーヒー生豆についている薄皮(チャフといいます)が、焙煎の進行で、豆が弾けるたびに網の外へ大量に放出され、コンロの周辺がチャフだらけになってしまいます。

家庭のコンロの周りというのは、たいてい油がついています。

それらの油でチャフがコンロにこびりつき、掃除で悪夢を見ます(笑)

いや、冗談じゃなく。マジです。

そこへいくと、この「the roast」は違います。

熱風サイクロン方式という焙煎方法で、出たチャフは別のシリンダーへ導かれ、そこに集まります。

チャフが集まったチャフ・コレクターを機械本体から取り出し、ゴミをポイ捨てするだけで終わりです。

コンロにチャフがこびり付いて、掃除で悪夢を見ることに比べれば、夢のような性能と言えるでしょう(笑)

結論:事実上最強の家庭用焙煎機

競合するであろう家庭用焙煎機には、ジェネカフェなどがありますが、こういう点を考えると、事実上最強の家庭用焙煎機ということができると思います。

スマートフォンと連動して、手軽に焙煎でき、部屋においてもそんなに違和感がないオシャレなデザインを持っているので、頻繁に焙煎ができます。そして、美味しい。

完璧といっても差し支え……ありますね。

では、次は「the roast」の難点について語っていきます。

弱点はないのか

さて、一見完璧に見える「the roast」ですが難点も当然あります。というか、いっぱいあります(笑)

いくら何でも高すぎるよ

この「the roast」、お値段なんと、10万円!ちなみに、税抜きなので、消費税込みで10万8000円(記事執筆時)です!

さらに、この「the roast」は、購入時に、生豆の定期購入コースに入らなくてはいけません。

生豆の定期購入コースは二つあり、

200g2種類セット(計400g)3800円/月

200g3種類セット(計600g)5500円/月

です。

2種類セットを選んだとしても、その合計は145600円。

ちなみに、これは税抜きなので、実際には157248円からになります。

競合する焙煎機がおおよそ3台買えます(笑)

カスタマイズ性がないに等しい

せっかく自家焙煎するなら、いろいろなことに挑戦してみたいかと思います。

たとえば、超深煎り。エスプレッソ用などにイタリアンローストやフレンチローストで焙煎してみたい、そういうことはできません。

事前に用意された焙煎プロファイル、一つの生豆に対して、浅煎り/中煎り/深煎りの3種類のプロファイルからしか焙煎できないのです。

現代の日本においても、個人が生豆を入手するルートはいっぱいあります。

たとえば、自家焙煎店では生豆で分けてもらったりとか、生豆の通販サイトからでも様々な生豆が入手できます。

しかし、この「the roast」ではそれらの生豆は使えません。

(焙煎そのものはできるらしいけど、保障対象外)

メーカーの、パナソニックのお仕着せの生豆しか使うことが許されないのです。

それじゃあ、正直、「何のために自家焙煎してるんだ!?」って話ですよね。

いや、常に新鮮なコーヒー豆が使える、というメリットはもちろんあるのですが。

iPhone/iPadユーザー専用焙煎機

この「the roast」使う時には、生豆のパッケージに記載されているQRコードを読み込んで、Bluetoothで焙煎機に接続して、焙煎プロファイルを送らなくてはならないのですが、(当然焙煎機の制御もすべてBluetooth接続のスマートフォンから行います)このアプリが、iOSデバイス、iPhone/iPad用しか提供されていないのです。

つまり、事実上のiPhone/iPadユーザー専用焙煎機です。

Android用のアプリもリリースが予定されているそうなので、Android用のアプリが出れば、この問題も解決されるとは思います。

思いますが、公式サイトではなしのつぶて状態です(笑)(いや、笑えないけど……)

発売から結構経つ今の時点でも、公式サイトには(iOSデバイスのみ対応)の文字が踊ります。

「本当にAndroid用アプリリリースされるのかよ!?」な状態です。

当然、専用アプリがいる、ということは、iOSのアップデートなどで、専用アプリが動作しなくなり、専用アプリのアップデートがなされなければ、その時点で、高価なオブジェと化します。

さすがに、生豆の販売があるから、アプリのアップデートくらいやってくれると思うんですけどね……。

しかし、Panasonicに代表される日本メーカーというのは、スマートフォンひとつとっても、どうなってるんだ、というくらいOSのアップデートなどへの対応が遅かったので、不安なところではあります。

すごいけど、人を選ぶ焙煎機

いや、家庭用焙煎機の時点で人を選ぶだろ、という突っ込みは、もちろんあるかと思いますが、それは今回は飲み込んでもらうとして……(苦笑)

性能に関しては間違いなくトップクラスなのですが、家庭用焙煎機を欲しがるような僕らのようなコーヒーマニア相手でも、かなり人を選びます。

レビューによっては、「失敗がないので、自家焙煎の入門用にいいんじゃないか」なんて結論を出しているところもありますが……。

よくないよ!

そもそも、「よーし自家焙煎するぞー」っていって、ぽんっと込々15万の焙煎機を買うやつは、よほどの金持ちか馬鹿だけだよ!普通の人は、15万の焙煎機買う前に、失敗のリスク込みで、手網焙煎から始めるよ!

家庭用焙煎機ぽんって買うような人は、手網に満足できなくなったような人ぐらいだよ!(筆者の勝手な思い込みです、人によります)

要するに、「自家焙煎で失敗したくない」という人のための焙煎機です。

「自家焙煎でいろんな味を追求したい」とか「コストを安く上げるために(コスパのいいコーヒーを作るために)自家焙煎してる」という人には向かない焙煎機です。

「自家焙煎で失敗したくない」というのなら、自家焙煎店でコーヒー豆を買えよ、というツッコミはもちろん飲み込んでもらうしかありません(笑)

ちなみに、個人的に「ありかなしか」で言えば、「なし」です。

そりゃあ、すごい機械だとは思いますが、僕が自家焙煎に求めるものとは相いれない、と思います。

マニュアルモードが搭載されたら、真剣に考えますけど(笑)

おまけ:各種レビューへのリンク

ここを見ている人は、とっくに各種サイトでのレビューには目を通しているかとは思いますが、個人的な備忘録も兼ねて、各種レビューへのリンクを張っておきます。

パナソニック、コーヒーの生豆を自宅で焙煎する「The Roast」サービス開始(家電Watch)

パナソニックの焙煎機「The Roast」はコーヒー好きを満足させられるか?(マイナビニュース)

待って、香り良すぎ パナソニックコーヒー焙煎機The Roast(家電ASCII)

【レビュー】パナソニックから発売の焙煎機 The Roast(ザ・ロースト)、使ってみました!(Cafict)

そして、最後に、公式サイトと製造元

The Roast(Panasonic)

IKAWA Coffee

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