出先での小説執筆、iPadかWindowsモバイルか

スマホ/PC/ガジェット

はい皆さんこんにちは、ゆーへいです。

今回はモバイルデバイスの話をしていきたいと思います。

……もう何のブログだがよくわかんねーな。

何故こんな話をしようかと思ったかというと、作家を目指して小説を書いている友人が、出先で小説を書くデバイスとしてiPad ProかWindowsのラップトップかどっちにしようか迷っていると言っていたので、両方持ってて両方使っているので、その友人にとって参考になる話ができるのではないか、と思ったからです。

まず前提条件の話

完璧なデバイスなんて存在しない

ある意味当たり前だろ、ということを見出しにしましたが、案外忘れがちというか、インターネット上でやれ「iPhone最高!Androidは使いにくくてクソ!」とか「Apple信者乙、Apple製品はスタバでドヤるくらいにしか使えない情弱専用アイテム」とか語っている人たちを見ていると見過ごしてしまうことだと思うのであえて書きました。

ちなみに僕はちゃんとiPhoneもAndroidもMacもWindowsもLinuxも、プレステもXBoxも使った上で言っているので悪しからず。

そんなわけで色々なデバイスを使ってきた身からあえて言わせてもらうと完璧なデバイスなんて存在しなくて、どれも一長一短だということです。

ネット上にあるレビューはあくまで事実の一面でしかなく、すべてではないです。

自分にとって欠点を最小化し利点を最大化できるデバイスを購入すべきです。

移動した先で使うのか(=点のモバイル)、移動しながら使うのか(=線のモバイル)

さて、基本的にパソコンのディスプレイというものは見える範囲であれば大きければ大きいほど作業効率は高くなります。

ならば、大画面で軽量なノートパソコンが最強のモバイルデバイスだ!……とはなりません。

例えば、LG製のGRAMというノートパソコンがあります。

GRAMの15.6インチモデルは1.1kg、17インチモデルが1.34kg(!)という軽量さです。

軽くて大画面!最強だ!!

と思いますよね。

さあ、最強のノートパソコンを携えて、新幹線に乗りましょう!

テーブルを開いて、執筆開始だ!

しかし、15.6インチや17インチのノートパソコンはいくら軽くたって、新幹線の小さなテーブルには乗りようがありません。

新幹線がダメなら、カフェだ!とカフェに赴きましょう。

この手のカフェの一人用テーブルは横幅が意外と小さく、かつ、今は例のウイルスのせいで左右にはアクリルの衝立が設置されている場合もあります。

そうなると、せっかく軽くて持ち運びが楽なのに、新幹線でもカフェでもろくに使えないことになります。

別にLG GRAMをdisりたいわけではないです。大画面ディスプレイを搭載しつつも、1.5kg未満の軽量ボディは素直にすごい技術だと思います。

思いますし、例えば、移動した先のホテルなどの広いテーブルで使う分には、大画面ディスプレイと大きいキーボードで作業効率は格段に上がることでしょう。

要するに、モバイルパソコン、モバイルデバイスを考えるときは、重量だけではなく底面積、フットプリントも重要だということです。

フットプリントを考える時は、どこで使うか、ということが大事になります。

新幹線のテーブルやカフェのテーブルで使うなら10インチクラスからマックス13インチ(狭額縁なら14インチでも可)。

ビジネスホテルのテーブルで使うなら15〜17インチ。

移動しながらの数分の隙間時間で使うなら8インチや10インチのタブレット。

移動しながら使うのか(=線のモバイル)、移動した先で使うのか(=点のモバイル)が大事ということです。

外出先で小説を書くデバイスに求められるものを個人的に考えてみた。

さて外出先で小説やブログの文章を書くために僕は色々なデバイスを買ってきました。

その中で良かったデバイスを考えてみると、3つくらいかなと思います。

  • シャープSL-C3000 通称りなざう
  • ポメラDM100
  • Ulysses on iOSデバイス

最後のだけは最近の話ですね笑

これらのデバイスに共通する要素は3つあると思います。

  1. フットプリントの小ささ
  2. 書き始めるまでの時間の短さ
  3. 使いやすいインターフェース

シャープSL-C3000通称りなざう

りなざうから語っていこうと思います。

りなざうはシャープが繰り出したPDAです。——今時PDAって言われてもわからないと思いますが、PDAというのは電話がついてないスマホみたいな機械です。

さて、りなざうは現代の大画面スマホ程度のサイズのいわゆる2in1なのでどこででも、それこそ立ちながらでも文字入力ができます。

組み込み向けLinuxを搭載しており、起動は十分早いです。PDAなので起動が遅いのは話にならないですよねw

りなざうにはキーボードがついており、このキーボード、すごく一つ一つのキーが小さくて、タッチタイピングは不可能で、親指入力オンリーだったのですが、これがキーが少ないなりに記号キーの入力方法や配置などが日本語入力のためのよく考えられていて、かなり使いやすかったです。

スマートホン向けの小型キーボードとかそういうものもたくさん買ってきましたが、この手の小型キーボードの中でもりなざうのキーボードを上回る小型キーボードはいまだに出会っていません。

正直それこそ原点にして頂点といった感じです。

ポメラDM100

テキスト入力機として名高いポメラですが、まーやっぱり入力仕事はポメラ最高でしたね!

今ポメラを使っていない理由は二つあって、

  • ファイル管理がお世辞にも使いやすいとは言えない
  • クラウドでの同期ができないので一々SDカードかUSBケーブルでのPCとの接続が必要になる
  • 文字数がきつい(長編小説を書いているともっと書きたいのに文字数制限にぶち当たって集中が途切れる)

この3点がどうしても受け入れられず、今はポメラを使っていません。

ポメラは小型キーボードジャストサイズなので、フットプリント的にも新幹線だろうがカフェだろうが全然余裕で使えます。

開いた瞬間に起動してその瞬間に文字入力が開始できる状態になります。

そして、扱いやすいキーボード!

最高のキーボードとは口が裂けても言えませんが、こんな小型のデバイスで文字を入力するためのインターフェースと考えれば十分以上です。

電池持ちも良いし、乾電池なので最悪コンビニなどで簡単に電池を調達することができます。

後継機のDM200からは内蔵リチウムイオン電池になってしまったので、コンビニで電池を調達することはできなくなりました……。相変わらずクラウド連携機能は……ですし、PCとの接続インターフェースがMiniUSBからMicroUSBになっていますが、現代ではどちらも旧型インターフェースです。

そういうわけで、個人的にはDM100こそがポメラの完成形と主張したい!です!!

Ulysses on iOSデバイス

最近使っているのが(そしてこの文章を書いているのが)Ulyssesというサブスクリプション制のテキストエディタです。

iPhone/iPad/MacとApple環境全てで動くので、どこででも使えます。

スマホならいつも持ってますからね。

クラウド(iCloud)で高速で連携するので、iPhoneでちょこっと書いて、iPadである程度書いて、Macで最終仕上げと進められます。

iPhoneやiPadならほぼほぼ瞬時というスピードで書き始められます。

そして、インターフェースがいいんですよね。ダークモードに対応していて、黒い画面に白い文字、入力したテキストのファイル管理機能もついているのですが、これも結構使いやすいです。

当然、ポメラのように文字数制限がしんどいということもなく(PCだから当たり前だけど)、長編をガンガンかけます。

WordPressへも直接投稿できるし、Markdown記法にも対応していて、文章の構造を考えながらも書けます。

正直便利すぎてここのところ、Ulysses以外で文章書いてないです。

iPadについて考えてみよう

ではiPadについて考えてみましょう。

本当にiPad Proは必要なの?Airでよくない?

まず言いたいのは、テキスト入力程度の作業なら、iPad ProではなくてiPad Airで十分なんじゃないかということです。

A14 Bionicは十分に早いです。見た目はもうiPad Proと対して見分けはつきませんし、Magic Keyboardも使えます。

ここで無印iPadを持ち出さない理由としては、やっぱりUSB type-cが欲しいからです。

いつまでLightningなんて使ってるんだよいい加減、iPhoneも含めて全部type-cにしてくれよApple……。

iPadのいいところ

まず最初に言うべきことはUlyssesが使えることです(またいってる)

UlyssesいいよUlysses

  1. ARMとモバイルOS(iPad OS)のもたらすモビリティ
  2. 優秀なエディタアプリがある
  3. 性能が高くて意外と色々なことに使える

バッテリー持ちと起動スピードの速さ、書き始めるまでの時間が短い

時代はARM!ARM最強!!(目ぐるぐる)

今はだいぶ良くなってますが、WindowsのモバイルPCをメインに使っていたときに悩まされたのが、起動が遅いこととバッテリーの持ちが悪いことです。

外出先で何か書きたいなーってなった時、起動するのが遅かったり、起動してもバッテリーの残量が厳しくて作業時間が取れなかったりすると、ゲンナリします。

もちろん、SSD化されて、スタンバイも色々と工夫された現代のWindowsモバイルPCは十分スタンバイからの復帰も早いですしバッテリー駆動時間も長いですが、それでもARMのiPadにはかないません。

スタンバイ復帰して作業できるようになるスピードは改善された今ですら、iPadと比べると豚のように鈍重です。

そして、Instant Hotspot!

これは本当に神機能です。

iPhoneがあればiPadやMacなどの他のAppleデバイスがあたかもLTE内蔵かのように振る舞うので、すごく便利です。

Android +WindowsだとAndroid端末側でテザリングを有効にする一手間がありますが、Instant Hotspotを使えば、スマホを一切取り出すことなく、iPadなりMacなりでブラウザを起動させればその瞬間にテザリングが自動でつながります。

あたかもLTEを内蔵しているかのようで、素早く使えて便利です。

まあモバイルルーターを持っていれば同じように使えるんですけどね。

優秀なアプリが多い

はい、Ulyssesがあります(いい加減にしろ)

標準メモアプリも悪くはないです(いいとはいってない)

他にもDraftsだったりiA Writer(まあAndroidもWindowsもあるけど)だったり、クラウド連携できるモダンなテキストエディタがWindows環境よりも多い気がします。

Windows版UlyssesことパクリアプリのInspireもありますが、スマホとの同期ができないんですよねぇ……Android版を作ってAndroidとも連携が取れるようになったら、iPhoneもiPadもMacもいらねぇや(暴言)

何気に動画編集もそれなりにできる性能の高さ

4K動画の編集もできる何気に高性能なのがiPadです。

(しやすいかどうかは別)

Apple Pencilを使っての画像編集などもできるし、Kindleでの読書もWindowsよりはやりやすいです。

ゲームが少ないかと思えば、iPhone向けにでているゲームがプレイできるので、ゲームも色々と楽しめます。

性能が高くて色々なことに使えるのは大きなメリットです。

iPadのデメリット

iPadに欠点はないのでしょうか。

あります。

それも特大のやつが。

それは……。

Apple純正以外の日本語配列キーボードが事実上使えない!!

と言う文字入力用途だと致命的としか言いようがない欠点です。

iPadやiPhoneを使ったことがない人は「は?」と思ったかもしれません。

マジです。

Apple純正以外の日本語配列キーボードをiPadやiPhoneにつなげると強制的に英語配列として認識されて英語配列のキーボードとしてしか使えません。

これは致命的です。

え?じゃあApple純正のやつを買えばいいんだろって?

  • Apple純正キーボードは異常に高い!

例えば、Smart Keyboard Folio。これはiPad11インチ用で税込21000円くらい、13インチ用で25000円くらいします。

ファブリック素材の到底打ちやすいとは言えない簡易的なキーボードカバーがこの値段です。

高すぎる!!

タッチパッド付きの本格的なキーボードカバー、Magic Keyboardは11インチ版で35000円前後、13インチ版で41500円くらいします。

は?

って思うでしょ?

これマジです。

Magic KeyboardもSmart Keyboard Folioよりは打ちやすいと言うだけであって、そんなに打ちやすいキーボードというわけではないですからね。

思ったよりは全然打ちやすいけど。

それから、iPad単品で使っても使えるんですが、なんかもったいないことですね。

iPad単品だとUlyssesでのiPhoneと組み合わせが出来ないですし(Windows版やAndroid版があるiA Writerとの組み合わせならできる)、InstantHotspotも使えないので、テザリングなりモバイルルーターなりが必要になります。

十分使いやすいと言えば使いやすいんですが……うーんって感じです。どうしてもAppleデバイスはAppleデバイス同士の連携ありきなところがありますね。

最後の欠点は

重い

ことです。

iPad Air11インチとMagic Keyboardの組み合わせを考えてみましょう。

ちなみにこの組み合わせ、Air最安の64GB Wifiモデルを選んでも104,060円もします。

256GB Wifiだと122,760円となります。

まー高いです。

高いだけではなくて重いです。

iPad Airだけで458g(Wifiモデル)Proだと20g重くなります。

Magic KeyboardはApple公式サイトにはなぜか重量が書いてないのですが、大体600gだそうです。

合わせて1.1kg近くになります。

ちなみに、僕が使っている富士通のライフブックUHは13.3インチのタッチパネルが付いていて940gです。

12.5インチのモバイルノートVAIO SX12は大体900gです。

いかにiPadとMagicKeyboardの組み合わせが高くて重いかがわかるかと思います。

ただ11インチのフットプリントで高性能な2in1デバイスと考えると悪くないと言えなくもないです。2in1って普通のラップトップよりも重くなりがちですからね。

重さやサイズ的に許容できるのはiPad Air + Magic Keyboardくらいかな。iPad Pro 12.9インチ版は……ここまでくるといくらなんでも重すぎるよ……。

WindowsノートPCについて考えてみよう

WindowsノートPCについて考えてみましょう。

いろんなノートPCを買ってきましたし、触ってきましたが、個人的に小説執筆、テキスト入力作業に向いている打ちやすいキーボードを搭載したノートPCはThinkpad、VAIO、LIFEBOOKあたりかなと思います。

現在僕がたまに使っているLIFEBOOK UHのキーボードもそんなに悪くはなくて打ちやすくて使いやすいです。

WIndowsノートPCのいいところ——コスパの高さとキーボードの打ちやすさは魅力

モバイルノートと言うジャンルで考えると、そんなにやすいPCはないのですが、ただそれでもApple製品に比べると、Windowsのコスパの高さは本当に魅力的です。

できることは大して変わらないのに値札がここまで違うと、Apple製品は情弱専用!と言いたくなる気持ちもわかります。

そしてキーボードですね。

Apple製品のキーボードに比べると、やっぱりThinkpadのキーボードはいいです。

Thinkpad最高!(何を言い出すんだ)

あとは個人的に、hpのSpectre folioのような本革を大胆に使った2in1ノートPCもかなり魅力的に感じています(なおキー配列……)

  1. コスパが高い
  2. 色々なマシンが選べて、その中には素晴らしいキーボードを備えた機種もある
  3. もちろん、すごく軽いマシンもある

やっぱり選択肢の多さが魅力的です。

WindowsノートPCの弱点——改善されたとは作業を始めるまでのスピードはiPadには劣るし、バッテリ駆動時間は少なくなりがち

Windows環境でクラウド連携できるモダンなUIを備えたテキストエディタは少ないです。

もちろん、優秀なテキストエディタは多いです。

個人的にはTerapadを愛用しています。

ただ、こういうレガシーなテキストエディタって小説を書くのにはイマイチ使いづらいというか、使いづらいわけではないのですが、クラウドで瞬時に連携する環境を知ってしまうとなんともって感じです。

Ulyssesでできるような複数文書を一つに統合しつつ、その中で文書の順序を変えたりするようなこともできませんしね。

あとMarkdownをかけるエディタはたくさんあるんですが、使いやすいと思えるものは正直なかったです。Typoraぐらいかな……。でもブログならいいけど小説には正直……。

まぁどんなエディタでもかけるのがMarkdownのいいところなんですが、書けることと使いやすいことは別ですから。

Ulyssesをパクり、その上自らインスパイアと名付ける図太さを持ったInspireがあるのでそれを使うのがいいかもしれません。しれませんが、Inspireが同期できるのは事実上Windowsだけなのでスマホで使えないのが痛いです。(Dropboxで同期するらしいのでなんとかしてスマホから使えるかも)

あとはバッテリ駆動時間はどうしてもARMなデバイスと比べると少なくなります。

スタンバイでずーっと置いているとそれだけで気づいた時にはバッテリがかなり少なくなっていますし、スタンバイから復帰してエディタを起動して、といった流れはやっぱりモバイルOSであるiPad OSの方が早いかなと思います。

要するに書き始めるまでの時間がちょっと長くかかってしまうのが個人的に気にくわないポイントだと言うことですね。

  1. 小説かきにむいたアプリが少ない
  2. バッテリー駆動時間が問題かも(大容量バッテリーを積んだ機種を選べば別に問題ないけども)
  3. iOS/iPadOSの方が書き始めるまでの時間が短い

あとフットプリントが11インチ、10インチ台でそれなりの性能を備えたWindowsモバイルノートってないんですよね。ネットブック見たいなのはたくさんあって安いんですけど……。

最近流行の中華UMPCはキー配列がどれもこれもひどくてテキスト入力用途では若干使いづらい。GPD Pocket2を持っていましたが、スタンバイからの復帰すら遅いし、キーボードはイマイチ使いにくいしで、あまり使いませんでした。ぶっちゃけ、使いにくい変態配列なら、タブレットのソフトウェアキーボードで十分だって話ですよね。

このクラスなら、素直にタブレットを使った方がいいと思います。

結論 フットプリントと書き始めるまでの速さを重視するならiPad、キーの打ちやすさやコスパ、画面の大きさを求めるならWindowsモバイルノート

僕は線のモバイルがメインなので、軽快に動作してバッテリー駆動時間も長い、書き始めるまでの時間が短いiPadの方が使いやすいです。好きはThinkpadの方が好きだけどw

一方で、ある程度落ち着いた場所でまとまった時間で作業するのなら、iPadのキーボードや重量の割に小さい画面サイズなどは気になると思います。

長々と書きましたが、やっぱり一長一短なので、その時その時で使いやすいデバイスを使うのがいいと思います。

コメント