Panasonicの焙煎機、TheRoastに、上級者向けのExpertが出ていた話

コーヒー

以前、Panasonicが家庭用焙煎機に進出として、Panasonicの家庭用焙煎機、The Roastをご紹介しました。

そして、The Roastに上級者向け上位機種、The Roast Expertが登場していました。(最近知りました)

何が違うのか

先ほど出した記事で、僕は、通常の「The Roast」の弱点をこう書きました。

カスタマイズ性がないに等しい
せっかく自家焙煎するなら、いろいろなことに挑戦してみたいかと思います。
たとえば、超深煎り。エスプレッソ用などにイタリアンローストやフレンチローストで焙煎してみたい、そういうことはできません。
事前に用意された焙煎プロファイル、一つの生豆に対して、浅煎り/中煎り/深煎りの3種類のプロファイルからしか焙煎できないのです。
現代の日本においても、個人が生豆を入手するルートはいっぱいあります。
たとえば、自家焙煎店では生豆で分けてもらったりとか、生豆の通販サイトからでも様々な生豆が入手できます。
しかし、この「the roast」ではそれらの生豆は使えません。
(焙煎そのものはできるらしいけど、保障対象外)
メーカーの、パナソニックのお仕着せの生豆しか使うことが許されないのです。
それじゃあ、正直、「何のために自家焙煎してるんだ!?」って話ですよね。
いや、常に新鮮なコーヒー豆が使える、というメリットはもちろんあるのですが。

【ある意味究極のホームコーヒー】Panasonic the roastについて語る!

そうです。

細かなカスタマイズ機能が導入されています。それが、Expertです。

専用アプリ(やっぱりiOS端末限定です……)を使うことで、1度1秒1%単位で精密に温度時間風量を設定することができ、自分なりの焙煎方法を追求することができます。

焙煎中の状態をアプリで確認して、記録することができます。

ただし、機械そのものは、旧The Roast(こちらはBasicサービスという名前になっています)と変更はありません。ありません……が、Expertサービス対応の拡張が必要なようで、一度、Basicを選ぶと、Expertにするには、機械の再購入が必要なようです。(ソフトウェアアップデートや、ゲームのDLCみたいな感じで、追加料金で、Expert拡張ができればいいのに……)

デメリット

デメリットについて書いていきます。といっても、上で書いた記事と別に違いは特にありませんが。

BasicからExpertへのアップグレードができない

一度、Basicにすると、Expertに変更することは、機械を買い直すことでしかできないようです。

対応自体は簡単にできると思うんですけどね……実質単なるファームウェア更新でしかないわけですし……。

「できないわけはない!」と思って、サイトを隅々まで確認したんですが、「できる!」と代言してある記述がどこにもないです。

できてしかるべきだと思うんですがね。

Android端末への対応がまだできない

Expert出す前にやるべきことがあったと思います。

それは、Android端末への対応です。

もちろん、日本では、iPhoneユーザーが多く、こういう意識高そうな(笑)機械を買うような人は、大体iPhoneユーザーだろっていうのはわかります。

わかりますが、Expert出す前に、Android端末への対応を優先すべきだったのでは?と思います。

これ、Androidで出すのそんなに困難なアプリなんですかね。

そもそも、Basic(そのときは、Basicっていう名前でもなかったんですが)が出たときに「Androidアプリもリリース予定」って言ってましたよね?いったいいつ出るんですか?本当に出す気あるんですか?

OEM元だと思われる、IKAWA Coffee(イギリスの家庭用焙煎機)のほうが、iOSアプリしかないのかな、と思って調べたんですが、向こうは、AndroidアプリもiOSアプリもあるんですよね……(そりゃそうか、海外だとAndroidのほうが普及してるわけだし)。

それを考えれば、Androidアプリのリリースが一向になされてないのは、不可解です。

BasicからExpertへのアップグレードが本体の買い直しを必要とする上に、Androidアプリのリリースが一向に行われないのは、なんとも、ソフトウェアに弱い日本家電っぽいなぁという感想を抱いてしまいます。

いくらなんでも高すぎる価格がさらに上がった

まずはBasicの価格から確認します。

この「the roast」、お値段なんと、10万円!ちなみに、税抜きなので、消費税込みで10万8000円(記事執筆時)です!
さらに、この「the roast」は、購入時に、生豆の定期購入コースに入らなくてはいけません。
生豆の定期購入コースは二つあり、
200g2種類セット(計400g)3800円/月
200g3種類セット(計600g)5500円/月
です。
2種類セットを選んだとしても、その合計は145600円。
ちなみに、これは税抜きなので、実際には157248円からになります。

【ある意味究極のホームコーヒー】Panasonic the roastについて語る!

つまり、実質15万から、です。まぁ、高いですね。物好きな人か、よっぽど用途にぴったり合うか、お金が有り余ってるならどうぞ、っていう感じですかね。僕個人としては、面白そうな機械だと思いますが、コストパフォーマンス悪すぎてちょっと選択肢には上げにくいかなぁと思います。

数量がはける機械じゃないので、一台一台がちょっと割高になるのはわからなくてはないんですが、もう少し値段なんとかならない?って感じですよね。せめて、生豆の定期購入コースがなければ、ちょっと高いかなぁくらいなんですが。

今回、Expertでは、生豆の定期購入コースに入る必要はありません。なので、その分、実質お買い得に……。

セット価格250,000円(税別)
The Roast Expert対応焙煎機、チャフ専用ビン、専用アプリ「The Roast  Expert」(iOSのみ)、スターターキット(焙煎プロファイル付き生豆200g×2種、ジャーニーブック)

The Roast Expert公式

たけぇよ。

なんで、事実上ファームウェア更新だけなのに、10万以上値段上がってるんだよ、ぼったくりか。

――失礼。あまりのお値段の高さに、思わずちょっと文体が崩れてしまいました。

「15万でもないわー、他の選択肢も悪くないでしょ」って思うのに、25万ならなおさら、もっとマシな選択肢がありますよね。

ただでさえ、コストパフォーマンス悪かったのに、もう極悪としかいいようがないコストパフォーマンスの悪さだと思います。

僕個人としては、Basicの機能拡張として、細かいカスタマイズ機能(Expertの機能)をアップデートで無償提供した上で、生豆の定期購入コースなしの本体のみ購入ができてようやく、スタートラインじゃないのって思います。それぐらい、お値段がひどいと思います。

結論

以前、クラウドファンディング中のポップコーンメーカーの構造を利用した家庭用焙煎機をご紹介しました。

家庭用焙煎機に求められる機能を考え抜いて、最低限絞り込んで洗練されたデザインに詰め込み、しかも、安価に販売する。Panasonicが本当にやるべきだったのは、こういうことだったんじゃないのって思います。

僕個人としては、家庭用の焙煎機としては、LITHONのほうをおすすめしますし、The Roastはもう少しなんとかならないのって思います。メリットがたくさんあるのはわかりますが、価格が高すぎますいくらなんでも。

刺さる人がいるとすれば、他にある程度大きくて本格的な焙煎機を保っている人が、サンプルロースト用に買う場合、とかでしょうか。

新しいコーヒー豆を、The Roast Expertで、少量(50g)ずつ、温度や時間風量をこまめに変えて、何回も焙煎して、味の変化を確かめて、そのデータを参考にして、大きな焙煎機で焙煎する、という用途なら、完璧に近い出来だと思います。

そこまでじゃない、普通のコーヒー好きには、値段の割にはイマイチ使いどころのない焙煎機、っていう評価しか与えられないと思います。値段が安ければ(もしくは、これを安いと思えるぐらいコーヒーに金を突っ込めるのであれば)全然いいんですけどね……。

面白い取り組みだと思っているのは確かなので、今後ともじっくりと観察はしていきたいと思います。

最後に参考にした記事を少々

コーヒー焙煎上級者が「至高の味」目指す パナソニック「The Roast Expert」体験会

The Roast公式

IKAWA Coffee

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